農林水産省は中堅・中小の食品企業向けに「サステナブル経営」を推進するためのガイダンスを策定し、このほど公表した。気候変動や人権尊重を中心に課題別の目標設定や取り組み方法、情報開示の仕方について詳細にまとめている。
大手企業の多くはすでにＥＳＧの観点から気候変動リスク対策や人権尊重に基づく調達方針などについて情報公開を進めている。サプライチェーンの一端を担う中小企業も取引先から開示を求められるケースが今後増えるとみられており、農水省は取引先と連携して早期に対応を進めるよう推奨している。
農水省は「サステナブル経営」の取り組みが不十分な場合のリスクとして�。丕太宿覆亮�託が困難になるなど取引上の影響、��金融機関からの資金調達面での影響、��人材確保・定着への影響などを挙げる。
対応を進めるうえでは経営陣が責任をもって関与することや重要課題の特定、推進担当を設置して他部署と連携することを重要ポイントに挙げた。
課題設定ではまずは「気候変動」と「人権尊重」に焦点を当てるべきとした。そのうえで、ＧＨＧ（温室効果ガス）排出量の削減目標を設定するとともに、現状把握のための排出量算定方法と省エネ・再エネの具体的な取り組みを紹介している。
人権尊重についても人権方針の策定や人権デュー・ディリジェンス（人権侵害の特定・評価等）の実施などをどのように進めればいいかを説明している。
情報開示についてはいずれも顧客企業を優先しつつ、社内外の幅広い関係者にも開示するよう推奨している。多くの場合、取引先の大手企業からアンケート調査という形で回答を求めらる場合が想定されるが、これについてもどう準備を進めるべきかを説明している。