内閣府がこのほど公表した「食料の供給に関する特別世論調査」の概要によると、我が国食料自給率(生産額ベース)について80%以上の人が「高めるべき」と受け止めていることが明らかとなった。
食料自給率には生命・健康の維持に不可欠なカロリーに着目した「カロリーベース」のほかに、国内農業生産の経済的価値を表す金額に着目した「生産額ベース」がある。「カロリーベース」は米や麦、大豆など、比較的カロリーの高い品目の影響が数値に強く反映される。「生産額ベース」はカロリーベースと比べると、野菜や果物など比較的高価であるがカロリーの低い品目や、畜産物のように飼料を輸入に依存している品目の影響が数値に強く反映される。
我が国のカロリーベースの食料自給率は現在39%。今回の調査でカロリーベースの食料自給率について「低い」または「どちらかというと低い」と回答した人は69.4%となり、前回調査(22年9月)に比べ5.5%減少した。
一方、生産額ベースの食料自給率は68%。これについては「高めるべき」と回答した人が46.2%、「どちらかというと高めるべき」が34.4%で、計80.6%の人が「高めるべき」と受け止めていることが分かった。
食料の生産・供給の在り方については「外国産より高くても、食料は生産コストを引き下げながらできる限り国内で作る方がよい」と回答した人が53.8%(前回比0.7%増)となった。「外国産より高くても、少なくとも米などの基本食料については生産コストを引き下げながら国内で作る方がよい」が37.8%(同0.6%増)、「外国産の方が安い食料については、輸入する方がよい」が5.1%(同0.3%減%)となった。
我が国の将来の食料供給については、不安があると回答した人が83.0%に上った。
調査は全国の20歳以上の日本国籍を有する3000人を対象に実施し、有効回収数は1781人(59.4%)。1月9日〜19日、調査員が個別面接聴取で行った。