超音波カッター、軟らかいもの・硬さが異なるものもキレイに

 多賀電気は自動投入と排出機構を付与した超音波マルチスライサーを出展する。1秒間に2万回の超音波振動により、刃物全体が高速で伸縮を繰り返すことで切断抵抗を極力減らし、粘り気のあるものや軟らかいものなど従来切りづらかったものをキレイに切断し、商品価値を高める。

自動投入と排出機構を付与した超音波マルチスライサー
小型機種もある

 刃物に超音波振動を加えることで、刃物が高速で伸縮を繰り返す。刃物が常に微小に動いているため、カットする際も刃物と食品の間の界面(接触面)に隙間が生じ、滑り性がよく切れやすくなる。クリームなども付着しにくくなる。
 切りにくい粘り気のあるもの(寿司、求肥、練り物)、軟らかいもの(パン生地、生ケーキ)、硬くてもろいもの(ミルフィーユ、ウエハース)、全体的に硬いもの(各種冷凍食品、燻製)など切り屑が少なく、キレイにカットできる。
 特に、硬さの異なるものをカットする際に効果的であり、表面にアーモンドやピーナッツをコーティングし、中のスポンジには干しブドウなどをあしらったスイーツ、各種サンドイッチ系食品でも切断面にムラがなく、キレイに仕上げる。肉や野菜をゼラチンでコーティングしたオードブル的な食材でも威力を発揮し、おせち料理を生産するメーカーに数多く導入した経緯もある。人手に頼っていた工程の自動化に成功、しかも人が切っていた時よりもキレイに仕上がる。
 最近では、コンビニエンス系ベンダー工場のサンドイッチの自動スライス工程に導入が続いている。
 FOOMA会場では超音波マルチスライサーを各種出展。大型工場向けに自動投入と排出機構を付与した機種も紹介し、ラインでどのように組み込むかを説明する。「今まで切断するのに苦労していたものでも、一度試していただきたい。FOOMA会場でも食材の持ち寄りを受け付ける。そこから新たな商品が誕生したケースは少なくない」(同社)と自信を示している。