学生を対象に包装啓発セミナー

 食品エンジニアリング関連の業界団体でも、次世代を担う人材の育成に努めている。日本包装技術協会は愛媛大学紙産業イノベーションセンターで包装啓発セミナーを12月開講した。学生の包装に対する理解をさらに深めることを目的としている。

講義終了後の集合写真

 同協会の水口眞一技術参与が「包装材料の機能とこれからの社会的意義」をテーマに講演した。包装材料の基本的な機能から、品質面、衛生面、安全面、環境面、高齢者・障がい者配慮などの世界的トレンドを説明。これらを背景とした商品包装の開発が必要不可欠であり、生活に密着している包装はデザインや売上げに直結するマーケティングの観点も重要だと解説した。
 また、21世紀の包装産業のキーワードや社会的意義を、現在流通している包装商品の改善合理化事例を交えながら紹介した。
 紙産地の紙研究機関として重要な役割を担っている愛媛大学からは、紙関連の修士課程の学生が参加した。学生は地域産業の繁栄を期するため、新しい商品を開発する研究などを進めている。紙の特性は熟知しているが、包装という切り口からの講演であり、新鮮味があり、熱心に聴講した。包装の機能、特に紙の機能性付与について大きな関心を示した。
 講演後の質問では、紙の将来性、機能性の付与の仕方、バイオマスの開発状況、二酸化酸素の減少と紙との関連など、積極的で前向きな質問が多かった。
 「優秀な学生に包装業界へ興味をもっていただけるよう、今後も一層の普及啓発活動を推進する」(同協会)としている。