食肉加工から、食品エンジニアリング事業へ

 平井カンパニーは、エンジニアリング機能を持つ食品機械商社(株)ジーピーエスを今年グループ化したが、FOOMAではそのソリューションを紹介する。食肉加工など前工程に強い同社と、包装など後工程を得意とし、惣菜工場にも実績があるジーピーエス。2社の機能を融合させた食品エンジニアリングを提案する。

トレイ剥離機、コンベアを連結して自在な
レイアウトが可能

 ジーピーエスは計量機や包装機、金属検出機など食品製造の後工程に特に強い商社。食品メーカーの工場のほか、小売業のプロセスセンター向けにも提案している。機械販売だけでなくライン設計に強く、生産量に基づいたシステムを立案し、生産機器を選定して工場のレイアウトまでを手がけている。
 また、同社の協力会社(有)マックがメーカー機能を持つのも強み。マック社は投入・受け取り装置やターンテーブル、トレイ剥離機など各生産機械を「連結」する設備を得意としている。そのため生産品の特性に合ったトータルプランができ、顧客の支持が高い。有力スーパーマーケットがこのほど立ち上げたプロセスセンターや惣菜センターなどを相次いで担当している。
 平井カンパニーはプロセスセンターのエンジニアリング事業を近年加速させているが、今回のグループ化で、ユーザーにより深く踏み込んだ、レベルの高い提案につなげたい考え。「加工ラインなど製造の川上を当社が、包装など後工程はジーピーエス社が担当することで、工場のすべてを当社グループでサポートできるようになります」と平井智樹社長は説明する。
 会場ではトレイ剥離機を出展。コンベアを連結して自在なレイアウトが可能になる点を、実際の工場で導入された映像とともに紹介する。

 また、ジーピーエスがラインナップしている、電力消費量とCO2排出量の削減に貢献する環境・省エネルギーソリューション製品群を紹介する。
 空調制御システム“ESCOT(エスコット)”は空調のコンプレッサーを制御し、省エネ運転させることで、ほとんど室内環境を損なわずに空調で使われている電力量を削減する。発売開始以来18年間で500件以上の導入実績があるが、電力使用量を平均で10〜30%削減、中には50%ほど削減した事例もある。
 工場や大規模施設向けの“ESCOT HYPER”と、店舗や中規模施設向けの“ESCOT CUSTOM”――の2タイプがある。
 空調のコンプレッサーの制御時間は3〜5分で設定。この時間内は、運転中にコンプレッサーが作り出した冷気・暖気が残っており、空調の室内機を送風で運転させることで残っている冷気・暖気を循環させ、室温の上昇(下降)を最小限で食い止めることができるという仕組み。夏場の一般的な事務所ならば、室内温度は約1〜2℃の上昇で抑えられ、個人差はあるが体感的にはほとんど解らないという。
 近年、食品工場でも導入が増えているが、店舗向けの導入が大部分を占める。「今後は食品工場に特に実績を伸ばしたい。工場関係者が多く来場するFOOMAで“ESCOT”を印象づけたい」と期待を込める。
 工場向けの照明機器も紹介する。照明機器大手の製品の1/3の消費電力で、同等レベルの照度を出力できるという。高性能のLEDチップと独自開発した反射機構を搭載することで実現している。会場では具体的な数値とデータを掲示して説明する。
 「ジーピーエス社がグループに加わって初のFOOMA。食肉だけでなく、よりトータル的な食品工場、惣菜センターのエンジニアリング事業を提供できることをアピールしたい」と平井社長。同時に、「食品の加工だけでなく、空調や照明など施設そのものに注目した省エネ・ソリューションでユーザーの課題解決や、ビジネスをサポートしていきたい」と力を込めている。