厚木工場の移転新設を検討
ケンコーマヨネーズ 代表取締役社長 炭井 孝志氏

 ケンコーマヨネーズは静岡富士山工場を今春稼働したところ、生産計画を前倒しするほど注文があるという。同工場隣接地には空きスペースがあり、これをどう生かすか検討も行なっている。方針を炭井社長に聞いた。

     炭井社長

 ――卵製品専用の静岡富士山工場を4月中旬から本格稼働した。経過を伺いたい。
 炭井 9本の焼成ラインのうち8本が順調に稼働しており、計画通りの生産状況です。最新工場の良さを実感しています。1ラインをメンテナンス中ですが、他の工場で生産をカバーしています。外食やCVS等の仕掛けで、卵製品は大きな切り口になっています。静岡富士山工場は焼成たまごを3カ年計画で年間約6000t生産に押し上げる予定ですが、計画を前倒しするほど注文をいただいています。

 ――静岡富士山工場には工場見学コースも備えている。取引先との接点は増えた?
 炭井 気軽に足を運んでいただけるようになりました。富士山もばっちり見えますから。

 ――敷地内には空きスペースがある。第二工場の計画があるのでは。
 炭井 1978年竣工の厚木工場(神奈川県)が老朽化しており、同工場の機能を将来的には移転新設したいと考えています。その一方で、厚木工場を現状のまま出来る限り稼働を続けたいという気持ちもあります。厚木工場の新設はタイミング次第です。それ以前に重要なのは静岡富士山工場をフル稼働し軌道に乗せることです。

 ――売り先別の構成比で量販店、CVSが高まっている。
 炭井 CVSは当社の予想を超える広がりを見せています。量販店向けの惣菜や日配は取り組みに遅れがあると捉えています。当社の従来からの主要販売先は外食やパンです。それらとバランスを取りながらCVS、量販店の売上げを高めていくのが最善だと考えています。量販店に対しては、子会社が惣菜を直販していますが、全国を網羅できていないので、テコ入れが課題です。惣菜工場は全国に5拠点しかありませんから、これが10拠点ぐらいにならないと不十分です。

 ――惣菜工場は人手がかかる。人手不足の影響は。
 炭井 工場の働き手はもともと減ってきています。高校や専門学校から新卒で積極的に(地域限定)社員として採用していかないと働き手の確保は難しくなっていくでしょう。

 ――やわらか食の取り組みも始めている。給食・老健向けが将来の柱ということ?
 炭井 後発組ながら、やわらか食の展開は益々重要になってくるでしょう。当社の重要顧客である地域有力卸が軒並み老健・介護のルート開拓に注力しています。この要望に応えるためにも、やわらか食の取り組みを進めます。