食品小売企業の効率的な店舗開発、EMS、保全業務を支援

 パナソニック産機システムズはスーパーマーケットなどの食品小売企業の効率的な店舗開発、エネルギーマネジメント、保全業務を支援する「食品小売業向け冷蔵/冷凍設備運用サービス“エスクーボシーズ”」の提供を4月1日開始する。
 冷凍・冷蔵ショーケース、業務用冷蔵庫などの冷設システムの導入からメンテナンス、省エネ運用までを月額の利用料で行うサービス。店舗状況に応じた省エネ保証と冷蔵・冷凍設備の温度管理を行う。これにより利用者は日々の省エネ運用や保全作業などの業務負担を大幅に減らし、常に冷えたショーケースを利用できる。
 このサービスを導入する設備システムの運転データはインターネット経由で同社のクラウドサービス「エスクーボ」に蓄積する。遠隔監視で異常時に早期対応ができ、ビックデータを解析すれば冷媒漏えいや着霜などの異常も早期に検出できる。不具合が出る前に小さく直すことでメンテナンス工数の削減ができ、温度異常の頻度も減らせる。
 またクラウドに蓄積された設備運転データとエネルギーデータをAIで解析し、実店舗環境の負荷にあわせた圧縮機などの運転制御を行い省エネ運転を実現する。
 店舗開発のシステム設計支援から、省エネ運用、メンテナンスまでをトータルでサービス提供することで、設備の導入とメンテナンスコスト、エネルギーコストをあわせた店舗の「トータルライフサイクルコスト」を抑える。

 食品小売企業は売上げ、顧客サービスを向上するために改装や新規出店を行う。同時にエネルギーコストを抑えるための省エネ設備の導入、老朽化した設備機器の入れ替えなどをどの優先順位で投資を行うべきか定量的・定性的に分析判断し効率的に行うことが必要。
 これらの課題に対してこのサービスを用いることで、設備導入時の初期投資負担と省エネ運用やメンテナンスに関わる業務負担を抑え、故障やエネルギーロスなどの設備運用にかかわるリスク負担を減少することで、計画的で多店舗での設備投資が行いやすくなる。
 既存店舗の冷凍・冷蔵設備を検査、修繕、塗装を行った上で、チェーン店舗の他店に再活用(リファービッシュ)するサービスもはじめる。再活用した機器は、新しいシステムと同様に遠隔監視と省エネ運用・メンテナンスを同社が行うことで「冷やす価値」を提供する。新システムの導入と既存システムの再活用を組み合わせて月額サービス利用料を抑えることで、積極的な店舗改装と老朽化設備の入替を支援する。

 食品小売企業は売上げや収支を向上するために、限られた予算の中で新規出店、改装店舗の選定、老朽化設備の入れ替え選定をおこなう。またエネルギー消費量やメンテナンス費用などの店舗運営コストを抑える必要があり、効率的な投資を実現する店舗や設備の選定と運用に関する業務負担が課題となっている。
 「エスクーボシーズ」はこれらの課題に対して2015年2月に提供開始した「店舗向け遠隔データサービス“エスクーボ“」を活用して、効率的な店舗開発と保全業務の支援を行う新サービス。
 同社は「エスクーボシーズ」をはじめとするクラウドサービスビジネスで2018年度に100億円の売上げをめざす。