生産能力増強、動線確保
一正蒲鉾 新北海道工場(1)

 一正蒲鉾は北海道小樽市に約20億円を投じて新工場を建設した。生産高の増強と業務の効率化を図るため、最新の生産ラインと衛生設備を設置。板蒲鉾、ちくわ、揚げ物、カニ風味かまぼこなどのラインを保有している。

新工場の外観

 新北海道工場は入荷から出荷までをワンウェイ動線とし、清浄度区分管理や多重防虫区画を設けるなど、製品の安全性を向上させている。従来からHACCPやISOの認証を取得していたが、旧工場の建物自体が清浄度を区分する造りにはなっていなかったため、これまでは外気が入らないよう扉の開け閉めする際など細心の注意が必要だった。
 新工場で外気に接しているのは建物の両サイドにある入荷と出荷のバースのみ。しかも扉を何重にも施し、各部屋には仕切りを設けているので、外気が入り込む懸念や交差汚染を解消している。
 また、見学者通路を新たに設け、製造過程を窓越しに直線通路で見ることができる。

ピュアふぶきを加工する連続蒸し機

 ちくわや揚げ物、カニ風味かまぼこなど年間約7000tの生産を見込む。旧工場では狭く、十分なスペースがとれないため、能力を抑えた生産設備を導入せざるを得なかったが、新工場ではそれを克服。揚げ物ラインとちくわラインにフライヤーや焼成機など能力の高い設備を新たに導入することができ、生産量の増強に期待を込めている。
 北海道工場が生産する製品の中で、一番生産量が多いのがちくわ。1ラインのみで24時間3交代制で稼働していたが、生産能力が上がったことから、今後は稼働時間の変更も検討している。

主力のちくわの焼成工程

電気フライヤーも能力の高い機種を導入