ビール2社、共同配送と共同回収でCO2削減

 アサヒビールキリンビールは東京都の一部エリアでの小口配送を共同化し、茨城県・埼玉県・長野県・静岡県の4県では空容器の共同回収テストを8月29日から開始する。この取り組みで、年間のCO2排出量を約196t(従来比で約22%)削減する。

 両社にとって最大の市場である東京都で小口配送の拠点を相互活用し、配送距離の短縮・積載率の向上・車両回転率の向上を実現することで、環境負荷の低減をめざす。
 アサヒビールはビール類・低アルコール飲料・洋酒・ワイン・焼酎・清涼飲料の6カテゴリー、キリンビールはビール類・低アルコール飲料・清涼飲料の3カテゴリーの製品で行なう。エリアは江東・江戸川・渋谷・新宿・中野・杉並の6区で実施する。
 10月末からは、東京都内の他エリアと神奈川県内の一部に広げる。

 また、従来は配送ごとに荷量が少なくても実施していた空容器回収を役割分担する。これにより、回収車の積載効率を向上させるとともに、商品配送後の空き車両に一般貨物を計画配車することで、環境負荷を低減させる。
 対象となる空容器はビールの空瓶、空樽、飲料の空瓶、炭酸ガスボンベ、パレット。両社の製造拠点が比較的近くにある茨城県と愛知県の工場出荷エリアである、茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域からの空容器の回収を共同で行なう。
 共通のユーザーごとに回収を役割分担し、それぞれが製品を配送した後、回収する会社の車両の帰り便に両社の空容器を積み込むことで、積載効率を約25%向上させる。また、回収を担当しない車両の帰り便に別の運送業務を計画的につけることができ、運賃収入増を見込む。