遠藤会長
2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、企業の本来の活動そのものと理解しているが、掲げられた17の目標には、生産的かつ働きがいのある人間らしい雇用の促進、強靭なインフラ構築、持続可能な消費生産形態の確保など、ロジスティクスの高度化を実現するための重要な要素も含まれている。サステナビリティの観点から日本のロジスティクスがどうあるべきか、何を目標にすべきかを議論し、産官学の連携により全体最適化を図ることが重要であると考える。
当協会では、2030年のロジスティクスのあるべき姿を「ロジスティクスコンセプト2030」として取りまとめたが、今年は、この新たなコンセプトを皆様と共有し、その実現に向けて活動を展開する。
当協会が取り組むイノベーション事業の1つである「ロジスティクスIoTの推進」では、荷主・物流事業者とソリューションベンダーのマッチングを目的とした「NEXTロジ創造ミーティング」を継続的に開催するほか、産業界の課題解決に向けた活動を継続していく。
「ロジスティクスKPIの推進」にあたっては、ポータルサイトを活用し、ロジスティクスKPIの考え方や手法、事例などを紹介して一層の普及に努める。
また、「物流現場改善活動の推進」にあたっては、外部有識者による推進委員会を組織し、これまで以上に活動を強化していく。
ロジスティクス人材の確保や育成活動では、階層別、分野別の各種講座、セミナー等の開発を行うとともに、多様化する人材育成のニーズに応えるため、e-ラーニングシステムの開発にも引き続き注力する。
また、学生に向けて、ロジスティクス・物流の社会や産業界における重要性、仕事としての魅力等を訴え、この分野を支える人材の裾野を広げるために引き続き、学生のためのロジスティクス・物流研究プロジェクトの推進に取り組んでいく。
さらに、労働力不足をはじめとしたロジスティクスの課題解決のための情報発信・技術交流の場として今年2月に「国際物流総合展2020 -INNOVATION EXPO-」を開催する。
当協会は、今後とも、わが国産業活動と国民生活の持続可能な発展に向け、経済産業省ならびに国土交通省等、関係各省庁の施策と歩調をあわせるとともに、産・学との連携を強化し、全力をあげて課題に取り組んでいく。