（独法）製品評価技術基盤機構（ＮＩＴＥ）はアルコールに代わる新型コロナの消毒方法について「界面活性剤」や「次亜塩素酸水」などの有効性評価を行っている。その最終結果をこのほど公表した。注目されていた「次亜塩素酸水」については、電解型・非電解型ともに一定条件のもとでコロナを除去すると初めて認めた。
次亜塩素酸水（pH6.5以下）の有効塩素濃度は35ppm以上とし、利用に際しては�ー蠅△�や油脂などの汚れ（有機物）をあらかじめ除去すること、��対象物に対して十分な量を使用することが必要であるとした。手指などへの影響、空間噴霧の有効性と安全性は評価していない。
次亜塩素酸水は食塩水や塩酸を電気分解して生成する電解型と、次亜塩素酸ナトリウムを原料に塩酸や炭酸を混合して製造する非電解型がある。
電解型の次亜塩素酸水には微酸性電解水（pH5.0〜6.5）、弱酸性電解水（pH2.7〜5.0）、強酸性電解水（pH2.7以下）があり、食品添加物に指定されている。塩素の残留性が低く、野菜や鮮魚の洗浄殺菌などに利用されることが多い。新型コロナに対する有効性が認められる前から生成装置の需要は急増しており、各社とも生産ラインを増強するなどして対応している。
有効性評価を開始した４月当初は電解型に限定していたが、市場の実態に合わせて非電解型も対象に加えた。さらに評価試験はこれまで国立感染症研究所と北里大学大村智記念研究所に依頼していたが、５月の中間結果に違いが出たため有効性の判断に至らなかった。そこで今回、新たに帯広畜産大学、鳥取大学、日本繊維製品品質技術センターの協力を得た。
試験結果を受けて経済産業省は厚生労働省や消費者庁とともに「次亜塩素酸水」の有効性、使い方、販売方法について注意事項を取りまとめた。それによると、流水でかけ流す時の有効塩素濃度は35ppm以上、拭き掃除に使う時は80ppm以上とし、元の汚れがひどい場合は200ppm以上が望ましいとした。
販売方法については、使用方法や使用期限、有効塩素濃度、pH値などを明示するよう促している。
また、「次亜塩素酸水」の空間噴霧によるウイルスの除去効果については「国際的な評価方法は確立されていない」とし、「空間噴霧用の消毒剤として承認した次亜塩素酸水はない」と明記した。