全国の有名外食35社とコラボ商品を発売

 ローソンの竹増貞信社長

 ローソンは全国の外食企業35社とのコラボ商品を全国または各地域限定で順次発売する。外食企業に全国のローソン約1万4500店の店舗網を新たな販路として提供し、専門店のおいしさを通じてマチ(地域)を元気にすることをめざす。

 10月28日の記者会見でローソンの竹増貞信社長は「近くのローソンで外食コラボメニューを楽しんでいただくことで、現地のお店に足を運ぶきっかけにしたい。外食店ではローソンのコラボ企画を宣伝していただき、来店してもらえるきっかけにしたい」と相互送客の取り組みで地域を活性化する考えを示した。

 外食店への送客施策として対象コラボ商品購入時に外食店で使用できる割引券を提供する。第1弾として「幸楽苑」とのコラボ商品販売に合わせ、同店舗で使用できるレシートクーポンの配布を11月10日から予定している。また貧困層の子どもに食品を届ける「子ども宅食」に外食コラボ商品を無償提供することも年末のクリスマスを目途に検討している。

 竹増社長は「外食というハレの日の体験を近くにあるローソンで提供し、子どもたちを励ましていきたい」とねらいを語った。

串カツ田中の貫社長「コラボが強みに」

 会見では竹増社長と登壇した6社の外食店経営者に加え、15社の外食店経営者をリモートでつなぎトークセッションを実施した。

 コロナ禍で苦しかったこととして「先の見通しが立てられないことが不安だった」と外食店経営者たちは口を揃えて訴えた。またソーシャルディスタンスを考慮した店内環境の整備やウーバーイーツの導入、テイクアウトやEC商品に店の独自性を持たせるなど各社趣向を凝らした工夫で対応したことを紹介した。幸楽苑HDの新井田昇社長は「ドライブスルーや配膳ロボットの導入などコロナがなければ実施しなかったこともあり、そこから学ぶことも色々あった」と前向きな考えを語った。

 ローソンとのコラボについて串カツ田中の貫啓二社長は「コロナ禍で外食が悪とされ、厳しい状況が続いたが、ローソンとのコラボが強みになった。中食や内食といった新たな販路を提供していただいたローソンに感謝している」と語った。対して竹増社長は「サポートしてもらったのは僕ら。外食を楽しみたいが外出することがはばかられるというストレスをコラボメニューの販売で解消できたのではないか」と応えた。