日本の農業を応援、10月は「国消国産」月間

 JAグループ(全国農業協同組合中央会)は日本の農業の活性化と持続可能な食づくりのために「国消国産」を提起し、若者をはじめ国民に広く発信する目的でアイドルグループの乃木坂46とのコラボレーションによるプロモーションを毎年展開している。このほど新テレビCMの発表会見を都内で行った。

 JA全中の山野徹会長は会見で「国消国産は国民が必要とし、消費する食料はできるだけその国で生産するという考え方。これは日本の食と農を未来につなぐ大切な取り組み」と語り、国消国産をJAグループのキーメッセージとして発信し、国民の理解醸成につなげる姿勢を示した。

 2021年には世界食料デーに合わせて10月16日を「国消国産の日」と制定し、毎年10月を国消国産月間としてきた。今年は11月までの2カ月間に拡大し、全国約1700カ所のJA直売所と連携した大型キャンペーンを展開する。直売所を3回(=3カ所)訪れてスタンプを獲得すると、47都道府県の農畜産物・加工品が1万4100名に当たるプレゼント企画を実施する。

 山野会長は「この機会にぜひJA直売所を訪ねてほしい」と呼びかけた。

JA全中の山野会長とCMに出演している乃木坂46の(右から)田村真佑さん、遠藤さくら
さん、梅澤さん。トークセッションではCM撮影時のエピソードや自身の“推し食材”への思
いを語った

 日本の食料自給率はカロリーベースで38%とこの50年間で半減した。食料の多くを輸入に頼る現状が農業生産力の弱体化の要因の1つになっている。まずは国産の農畜産物・加工品を食べることが農業復活の一歩となる。

 トークショーに登壇した乃木坂46の梅澤美波さんは「この4年間、国消国産プロジェクトの活動をしてきたことで、スーパーで国産を選ぶようになるなど意識が変わった。若い世代にも国消国産を伝えていきたい」と語った。国消国産は農業の持続的発展だけでなく、食料安全保障やSDGsの観点からも重要であり、国民を挙げた推進が強く望まれる。