最新型のトンネルフリーザーを披露
歩留まり良く冷却「瞬封」を提案

 フクシマガリレイを中心とするガリレイグループはプライベート展示会「GALILEI EXPO2021」をこのほど開催した。この中でタカハシガリレイ(旧高橋工業)は最新型のトンネルフリーザーを展示し、新しい予冷方式「瞬封」を提案した。

 低風速で商品が飛散しにくく、短時間で冷やすので水分蒸発を素早く封じ込め、歩留まりが向上するとともにおいしさも閉じ込めるという。

 同社の急速凍結装置は独自のジェットノズルを採用しているが、今回展示した新型の予冷装置は板に穴をあけたスリットを通して冷風を吹き付ける仕組みを採用した。穴は製品が流れる方向に長く、商品や商品についているパン粉などが飛散しにくい構造になっているという。

 庫内を清掃・メンテナンスする際の扉の開封の仕組みも、これまでのガルウイングではなく、水平にスライドする扉を装着した。

 ガルウイングは扉をあけるためのスペースが広く必要だが、新型予冷装置は狭いスペースにも設置できる。しかも、スライドする扉の内側面に光を反射させる「リフレクトウイング」により庫内を明るく照らし掃除やメンテがしやすい工夫を施した。照明は庫外に設置するので一般的な常温対応LEDでよく、コストダウンにもつながる新発想。今回は参考出品だが、近日発売予定という。

 トンネルフリーザー用の新型ドライコンポ(デシカントユニット)も紹介した。

            新型のトンネルフリーザーを初披露した

トレー入れやトッピングも自動

 ガリレイグループは新型装置を紹介するだけでなく、他企業とコラボして周辺機器の提案も行った。

 グループ会社ショウケンガリレイの装置でコンベアーにトレーを置き、川崎重工の「双腕スカラロボットデュアロ」で揚げ物(展示会ではダミーを使用)をトレーに入れ、さらにトッピングもほどこし、フリーザー投入口に自動的にトレーを並べるなど、省人化の提案も行った。

 ショウケンガリレイの「箱詰め工程自働化設備」の実演も行った。同装置は包装済みトレーを1時間当たり2000個処理することができる。

 イシダの検査装置や食品の洗浄に最適な電解次亜水生成装置、自動洗浄機などの機器も実演展示して食品工場の生産ラインを再現し、「食の安全・安心」、「人手不足解消」、「衛生管理」などのソリューションを提案した。

フクシマガリレイ本社ビル1〜2階のオープンイノベーション空間「MILAB」では食品
工場の生産ラインを再現している

本社のミラボ施設の見学も実施

 ガリレイ本社ビル1〜2階のオープンイノベーション空間「MILAB」(ミラボ)の見学会も行った。ミラボは一昨年秋の新本社完成と同時に開設した、ユーザーとともに試作などを行う施設。フクシマガリレイの各種機器、トンネルフリーザー、解凍機、温度管理システム等の実機を揃えており、ゴーストキッチンとしての時間貸しも開始した。

     「MILAB」ではロングセラー機のトンネルフリーザーも展示している