エバートロンは独自に開発した電波振動技術で生鮮食品や花卉などを長期保存できる鮮度維持システム「The Keeper」を開発した。
天ぷらや揚げ物用フライヤーを多機能型分子調理器に変える装置「Dr. Fry」に採用している、独自の電波振動技術「エバートロンウェーブ」を応用した製品の第2弾。
エバートロンウェーブコントローラーの
完成予想図
1時間「The Keeper」の環境下に置くだけで、食材などを鮮度劣化しない体質に変えるので、その後は装置から取り出しても、長期効果を維持する。他の保存方法と異なり、保存期間中ずっとその装置の中に入れておく必要がなく、既存の物流をそのまま活用できる。
産地で出荷前に1時間処理するだけで、世界中に鮮度を維持したまま出荷でき、冷蔵倉庫に使えば、長期保存して出荷時期を調整できる。
非常にシンプルで安価なシステムであり既存の冷蔵庫や冷蔵室などに後付けできるため、簡単に導入でき、12V駆動なので携帯型や車載型も可能。肉、野菜、魚、花卉などを、薬品や添加物を使わず、鮮度劣化しない体質に変化して、鮮度を維持し、食材ロスを減らせる。
スーパーやコンビニの商品棚、寿司ネタケース、温蔵庫、花の貯蔵庫などに活用できるだけでなく、非常用の水や食料の保存、移植用臓器・体外受精用卵子・幹細胞の保存などへの応用が期待されている。
The Keeperは独自に開発した非常に微弱な電波発生装置。発生させた電波による振動で食材中の水やその他の分子の結合、構造に変化を与えるとみられている。
まだ全容は解明できていないが、基本的な部分の解明は終わり、2016年にアメリカで学会発表した。
The Keepeの開発は、現在国立大学をはじめとした様々な大学や研究機関との実証データの収集を行っており、2018年には実際の現場で試用とデータ収集を行い、2019年に発売する見込み。
The Keeperは世界の食糧事情を大きく変える可能性がある画期的なシステムとして、特に自給率が低く、食品ロスが問題になっている日本では、海外への輸出を含め大きく貢献できるとみられ、商社、運送会社、機器メーカー、農協、漁協など様々な関係企業とコンソーシアムを形成する計画が進行している。