(独法)製品評価技術基盤機構(NITE=ナイト)は台所用洗剤や石けんに含まれる「界面活性剤」、電気分解で生成した「次亜塩素酸水」などを使った消毒方法について、新型コロナに対する有効性評価を行うための検証試験を開始する。経済産業省が要請した。試験結果は6月以降に発表する見通し。
新型コロナに有効とされる消毒用アルコールの需給がひっ迫しているため、一般家庭や職場でも入手可能な洗浄剤のうち、新型コロナに対する効果が期待される物質について緊急で有効性を評価する。アルコール以外の消毒方法の選択肢を広げることをめざす。
対象となる物質は「界面活性剤」、「次亜塩素酸水(電気分解で生成したもの)」のほか、抗菌剤・防カビ剤などに使われる「4級アンモニウム塩」、酸素系漂白剤の「過炭酸ナトリウム」の4種類。食品工場などで洗浄殺菌に使われることが多い「次亜塩素酸ナトリウム」は新型コロナに対する有効性が広く認識されているため、評価の対象外とした。
また、次亜塩素酸水の対象を電気分解で生成したものに限った理由として、複数の論文で抗ウイルス作用が報告されていること、食品添加物として指定されていることを挙げた。
新型コロナに対する評価試験は国立感染症研究所、北里大学大村智記念研究所と共同で行う。これに先駆けて実施した代替ウイルス(A型インフルエンザ)を使った検証試験では、ウイルス除去効果が一定程度認められた。