フィルムロール装てんを自動化、重労働から解放

 大森機械工業(埼玉県越谷市、大森利夫社長)はこのほど開催された「JAPAN PACK 2023」で協働ロボットが包装機にフィルムロール(原反)を自動装てんするデモンストレーションを行った。ロール搬送にAGV(無人搬送車)を使用することはあるが、ロボットとAGVが連携して搬送からフィルム接合まで自動化を実現したケースは国内初とみられる。今回は参考出品だが、実用化すれば重作業の負担軽減と省人化に大きく貢献できる。

 自動化の流れはこうだ。あらかじめロールを専用の台車に載せておくと、AGVが台車の下に潜り込んでロールを包装ラインまで自動搬送し、包装機内の回転軸にロールを少しだけ差し込む。そのタイミングでロボットが台車に付いてある回転レバーをくるくると回し、ロールを回転軸の奥までセットする。

 その後、ロボットは包装機内部の目印に合わせて、フィルムクランプ(フィルムを挟んでいる部品)を自動でセットし、フィルムを接合する。接合が終わると、再び回転レバーを回して台車を引き離す。今度はAGVが台車を迎えに行って、元の場所に戻る。使い終わったフィルムの管やフィルムクランプも自動で回収する。

 台車やフィルムクランプ、ロボットハンド、そのほかの治具はすべて同社で製作しており、現場の条件に合わせてカスタマイズも可能。担当者によれば、ロールを台車に載せる重作業についてもロボットによる自動化を計画しているという。

ロールを載せた台車をAGVが運んでいく様子、デモでは小さいロールを使ったが、大きな
ロールにも対応できるという

   ロボットが台車に付いてある回転レバーを回し、ロールを回転軸にセットする

       包装機内部の目印に合わせてフィルムクランプを自動でセット

        セットが終わったタイミングでAGVが台車を迎えに行く