冷凍の小籠包が物販事業をけん引
小売り・ＥＣに販路拡大
�蝪複稗裡庁稗裡劭錬� 物販事業部長 阿部裕哉氏
阿部部長
ＪＩＮＤＩＮＲＯＵ（＝ジンディンロウ、東京都品川区）は台湾が発祥の中華料理店「京鼎樓（ジンディンロウ）」を国内で多店舗展開するほか、看板料理の小籠包を中心とした冷凍食品を小売りやＥＣで販売している。サブスクリプションモデルの開発や冷凍自販機の設置も進めるなど販路拡大に積極的に取り組み、物販事業の売上げ増をめざす。
――冷食に取り組んだ経緯は？
阿部 職人を構えずに小籠包を提供する「京鼎樓小館（ジンディンロウショウカン）」を2015年に展開し始めたことがきっかけです。我々のレシピは宝であり門外不出としていましたが、小籠包が餃子に続く文化として根付くよう自分たちの味にこだわった冷凍食品を開発しました。現在国内３社に小籠包の製造を委託し、月５万パックまで製造が可能です。
――コロナ対応も早かった。
阿部 コロナ前からマイナーチェンジを重ねて蒸し器調理からレンジ調理対応の冷凍小籠包の開発を進めてきました。2020年11月にスーパーマーケット「オオゼキ」から飲食店応援販売のお声がけをいただき、パッケージも市販用に整え、小売店で初めて販売しました。
現在は大手卸からの意見を基にブランドカラーでパッケージを統一し、面展開した際の本格感を演出しています。
――現在の商品は？
阿部 小籠包を中心に春巻や餃子の点心、中華惣菜計12品を希望小売価格600〜800円で展開しています。店舗の味を知っている人が、店の味に限りなく近く、おいしいと思ってもらえるよう京鼎樓日本の総料理長が委託先工場で全ての商品をチェックしています。
本来はレンジ調理をめざしていましたが、家庭でこだわりの味を楽しんでもらえるよう焼き・蒸し・揚げなど調理の手間がかかる商品もあります。基本的な調理方法や飲食店ならではのアレンジレシピもサイトで紹介しています。
――商品の販路は？
阿部 首都圏を中心とした小売店や百貨店・駅構内での催事、ＥＣサイトで販売しています。最近では地方からのお声がけもあります。小売店では商品のこだわりが伝わるよう希望小売価格での販売をお願いしています。自社ＥＣでは生の小籠包と専用の電気せいろをセットにしたサブスクモデルに取り掛かっています。新たな柱として今年２月に冷凍自販機の設置も開始しました。
――今後の戦略は？
阿部 現在飲食店舗の売上げが９に対して冷凍食品などを販売する物販の売上げが１の割合ですが、2025年８月期には飲食店舗の売上げ３に対して物販の売上げ１の割合をめざします。ＥＣは店舗出店と人員確保に限りがある飲食店と異なり、じわじわと伸びているのでのびしろを期待しています。
（あべ・ゆうや）2004年大手総合電機メーカーグループのＩＴサービス会社に新卒入社。2020年１月にＪＩＮＤＩＮＲＯＵの経営企画・新規事業開発部長に転じ、2021年４月物販事業部の発足を機に事業部長に就任。東京都出身。東京理科大学工学部卒。