神奈川県とEPA／AA比の啓発などでタイアップ
日本水産は神奈川県とタイアップして、「EPA/AA比」の意味や重要性を啓発する活動など、魚食による健康づくりの取り組みを今秋から推進する。
かなかな学習帳
�仝�の施策を紹介するアニメ「かなかなかぞく」でEPAの効能を紹介するため、制作に協力��県とともに、魚食の大切さやＥＰＡの効能などを説明する「かなかな学習帳」を県内の全公立小学校( 国立を除く) に配布�Ｆ�本水産（サラサラ生活向上委員会 http://sara2.jp/）と神奈川県庁のウェブサイト（http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f535496）でEPAの説明や県の健康寿命延伸の取組み、ニッスイのEPAの取り組みなどの情報を発信している。
さらに、EPA/AA比の現状を知るため、神奈川県内の漁協の協力のもと、血中EPA/AA比の調査を開始した。同社は今春から社員の健康診断の検査項目にEPA/AA比を加えており、健康指標のひとつとして社員の健康意識改善につなげる。
心疾患のリスク軽減
EPA（エイコサペンタエン酸）はいわしなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ３系の必須脂肪酸の一種。体内でほとんど生成できず、毎日の食生活を通じて摂取する必要がある。
EPAは心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められており、1990年には心血管系疾患の治療薬として認可され、ニッスイはその原料を生産・供給している。
健康を維持するEPAの機能についてはすでに多くのことがわかっているが、今日、特に注目されるのが、EPAとAA（アラキドン酸）の体内バランスを示す比率「EPA／AA比」。
AAは必須脂肪酸だが、肉や植物油を多く摂取していると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にする。一方、EPAは炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にする。
EPA／AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが2011年に報告され、EPA／AA比が注目されている。
過去の調査では、EPAを多く含むアザラシを常食としていたイヌイットはEPA／AA比がおよそ8.0前後あり、一方で比較的魚食が少なく畜肉が主体の欧米人では0.1という結果が報告されている。日本人の場合、65才以上でEPA／AA比は0.68、45〜68才では0.51、45才未満では0.28と、年代により差のあることが報告されている。
米国心臓学会は、冠動脈疾患予防のためのEPA／AA比として、0.75以上を推奨している。