イタリア産パスタに新商品
ジャンルイジ・ペデュッチ社長
高級食材の輸入商社、�螢▲襯�ン（東京）はイタリア中部のアブルッツォ州に工場を構え、昔ながらの伝統製法でパスタを製造するルスティケーラ社の乾燥パスタを新たに６アイテム輸入する。これに合わせて同社のパスタをメニューに採用している東京高田馬場のイタリア料理店「トラットリア ダイ・パエサーニ」で27日報道関係者に紹介した。ルスティケーラ社のジャンルイジ・ペデュッチ社長も来日して商品をＰＲした。
同社のパスタはイタリア産デュラム小麦のセモリナ粉を70％使用して小麦の風味を活かし、たん白質の含有量が多い外国産の小麦を30％配合することでもちもちした食感を出している。さらに、パスタの型抜きをする「型（ダイス）」は、一般的なテフロン製ではなく、ブロンズ製を使い、パスタの表面をザラザラにしてソースと絡みやすくしている。ブロンズ製はテフロン製に比べて摩耗が激しいため、その分、生産コストがかかる。
独自の乾燥庫で低温長時間、小麦の風味活かす
「イカスミのトンナレッリ」を使った「からすみ
入り イカスミのトンナレッリ」
乾燥工程は50℃以下で、36〜56時間と低温で長時間かける。これにより、小麦の香りを保つことができるという。1940年代までは太陽光で乾燥させていたが、夏場しか製造できないため、現在は独自開発した乾燥庫を使って品質を安定させている。大量生産のパスタは85〜95℃で４〜６時間の乾燥が一般的。
製造に手間がかかる分、一般的な量産パスタメーカーが１時間当たり6000〜7000kg製造するのに対し、ルスティケーラ社は同400〜500kgと少ない。ぺデュッチ社長によると「今のところ生産体制を増強する予定はない。当社の年間生産量はバリラ社の１日の生産量と同じ。価格はディ・チェコ社の２倍、バリラ社の３倍」と、高品質を追求することで大手・中規模メーカーとは一線を画す考え。
アルカンが新たに輸入するのは、中心に穴が開いている「ブカティーニ」、断面が四角い「キタッラ」、いか墨を練り込んだ「イカスミのトンナレッリ」、ボール状の「フレゴラ」、ひねりを入れたショートパスタ「トロフィエ」、100％アブルッツォ産の小麦を使った「プリモグラーノ スパゲットーニ」の６品。正式な導入時期、価格は未定。
既存品は紀ノ国屋、クイーンズ伊勢丹などの高級スーパーで販売しているほか、ヤオコーやライフコーポレーションの一部店舗でも扱っている。業務用はダイ・パエサーニのほか、都内のイタリア料理店が採用している。日本以外ではロンドンの「ハーヴェイニコルズ」、ニューヨークの「ディーンアンドデルーカ」などのデリカテッセン、高級食材店が利用している。