石原水産の石原直社長は前12月期の業績を振り返り、増益となると予想。在庫圧縮をはじめ、物流効率化を図るべく吉田工場の一次加工ラインに集約したことが収益に貢献したと語っている。
石原社長
――前12月期の業績を振り返って。
石原 売上高は76億円、当期純利益は2億円前後をキープし、増益となる予想です。これは在庫圧縮をはじめ、物流効率化を図るべく、東京都町田市の物流センターの閉鎖。さらに、焼津市浜当目工場を閉鎖し、吉田工場の一次加工ラインへ集約したことなど、全社的な合理化に努めたことで収益に貢献しました。
また、主力製品のカツオたたき製品で特徴あるオリジナル商品を季節ごとにアピールし、価格競争に巻き込まれないように努力を重ねたことも収益性の安定にもつながりました。
――合理化の効果は?
石原 吉田工場に集約化したことが特に大きいでしょう。吉田工場は前年に比べ1.5倍の稼働率となり、計画以上の増産が増益に結びつきました。
――前期の販売面は?
石原 生ガツオの水揚げが少なかったことで、冷凍カツオたたきの出荷が伸びたことと、回転寿司向けに企画した味付たたき製品が順調に伸びたことが業績に好影響を与えました。企画力を評価していただいたことは嬉しいことです。
――新年を迎えて。
石原 主力の吉田工場は人員を増やし残業や外注を減らしていく考えです。また、老朽化している工場設備は、逐次更新していきます。一方、新製品はマグロ中心の刺身商材でスライス加工したものを予定しているほか、マグロ加工製品で+αとなる新製品を準備しています。
――年間12億円を売上げているマリンステーションについては?
石原 少しずつですが店舗をリニューアルしていきたいと思います。
――今後について。
石原 当社の最多出荷品であるカツオたたき製品が、やはり販売の主力になるでしょう。カツオ原料が安い場合は、それなりの特売対応を図ることも必要ですが、当社としては極力、オリジナルの味付たたき製品など、付加価値のある製品を販売していく方針です。