ヤマトホールディングスと欧州第2位の国際エクスプレス事業を展開するDPDグループ(本部パリ)は、食品の小口保冷輸送ネットワークを世界規模で構築するためにコンソーシアム「Fresh Pass」を発足した。
各国の物流事業者に参加を呼びかけ、世界基準(ISO)に基づいた小口保冷輸送方式を策定するなど、コロナ禍でニーズが高まっている安全・安心で持続可能な食品流通の確立をめざす。
具体的には2020年5月に発行されたISO規格(23412:2020)に基づく小口保冷輸送の品質管理を共通化する。このISOは荷物の積み替えを伴う輸送形態を対象にしており、車両に搭載する保冷庫内の温度管理を中心に配送中の積み替え作業に関する要求事項が規定されている。
このほか、参加企業の物流ネットワークを活用したり、小口保冷輸送のノウハウを共有したりする。各社のネットワークを活用し合うことで顧客の新規市場進出や、国際間取引きを拡大する際のオペレーションコスト削減が見込めるほか、共通の品質基準を満たしたネットワークであるため、すべての流通過程で高い品質を維持することができる。
参加企業は「Fresh Pass」の名称とロゴを使用することができ、安全で高品質な輸送方式であることをアピールできる。参加企業のビジネス拡大や信頼性向上にもつながる。
DPDグループは9万7000人の配達担当者と5万8000カ所の集荷拠点を持ち、1日あたり750万個、年間19億個の荷物を配達している。
「Fresh Pass」の活用イメージ