東洋製作所はCO2二次冷媒自然循環システム「C-LTSシリーズ」の中でも新たにラインナップした小型機種と、工場などの未利用熱をヒートポンプで回収する「Mrエコヒート」をFOOMAに出品する。さらに、排熱回収温水ヒートポンプの大型需要向けに、三菱重工の「ecoターボ温水ヒーポンETW」も出品する。
「CO2二次冷媒自然循環システム(C-LTSシリーズ)」は冷凍機(一次側)の冷媒にアンモニア、フリーザーなど二次側の冷媒には二酸化炭素を使う二段圧縮機ユニット。コベルコ・コンプレッサが昨年発売したアンモニア冷媒の冷凍機を使うことで、アンモニア対応ではシリーズ最小の24kワット、37kワット、45kワットの最小型を開発した。フロンR22を使ったLTSと設置面積を同一に抑えることができ、買い換え需要に対応できる点がポイント。
C-LTS
C-LTSシリーズは自然冷媒を使い環境に優しいだけでなく、自然循環方式で高効率なことも特徴。年間CO2排出量は従来のR22を使った直膨方式の40%減、アンモニアブラインチラーと比べれば50%もの削減になる。
アンモニアは充てん量を最小にして機械やユニット内に閉じ込めているため、万が一の事故に際しても安全性が高い。具体的には、24kワットタイプでアンモニア充てん量はわずか12kgと通常の半分ほど。二次側冷凍サイクルに油を必要とせず、油混入による冷却器の伝熱性低下を防ぐことも利点の一つ。
オーバーホールの際は取り外して工場に持ち込むのではなく、現地で修理できる構造にしていることも便利な点。
Mrエコヒートは熱を回収するヒートポンプシステム。30℃ほどの温水から70~95℃の熱湯を作ることができる。同じシリーズのMrエコスチームが45℃以上の熱源から100℃以上の蒸気を発生させることができるので、使い分けることで工場全体の未利用排熱を有効に使える。
回収した熱の利用先提案も行なっている。トータルな取り組みで食品工場全体のエネルギーコスト削減とCO2排出削減を提案しており、展示会でも食品工場に設置した具体例をパネルで示し、分かりやすく紹介する。
三菱重工の「ecoターボ温水ヒーポンETW」は45℃の湯から80℃の熱湯を作り出す。温度差はエコヒートより小さいが、三菱重工の大型ターボ式圧縮機(出力115kw)を使うことで、時間当たり85tほどの熱湯を作ることができる。