炒飯はコメを炒めてから炊飯、パラッと感と香ばしさアップ

 味の素冷凍食品が炒飯に採用した「W炒め製法」は、炊飯前の米を炒めて1粒1粒を油でコーティングし、炊飯後に再度炒めて調味、具を加えることで、ふっくらパラッと感、香ばしさ、風味を引き出す新技術。既存の「五目炒飯」、「海鮮炒飯」と新製品「高菜炒飯」に採用した。五目炒飯は焼豚を10%、海鮮炒飯はえび・いかを10%増量する。
 「W炒め製法」で生産したコメの表面の顕微鏡画像と、香気成分である「ピラジン類・アルデヒド類」の数値を、プロの料理人、同社現行品、リニューアル品と、競合B、C社品を比較したデータも示し「パラッと感と香ばしさを実現」したことを証明している。

パラッと感と香ばしさを実現

 同社によれば12年の冷凍米飯市場は650億円で、天洋食品事件が起き市場が低迷した2008年度に比べ、5年間で15%増(83億円増)。このうち炒飯は302億円で37%増と著しく伸びている。中でも同社の「具だくさん五目炒飯」が一番伸びて40億円弱まで拡大している。 
 家庭用冷凍米飯は天洋事件直後の08年が564億円に対し、5年後の12年(見込み)は15%増(83億円増)の647億円に拡大。米飯の中でも炒飯は37%増(82億円増)と伸びの大半を占めており、特に同社の「具だくさん五目炒飯」が39%増と市場の伸び率トップ。一方、競合B社品は同期間に25%増、C社は24%増としており、冷凍炒飯が伸びた主因を同社品と位置づける。
 これに対しピラフは同期間で増減なしの204億円、和ごはんは8億円増の53億円、おにぎりを除く米飯トータルで19%増(90億円増)の559億円。おにぎりは7億円減の88億円。以上を合わせて647億円となる。