米国発ピッキングシステムの独占販売権を取得

米国Alert Innovation社が開発したピッキング
システム「ALPHABOT」(同社HPから)

 ロジスティクスシステム大手の村田機械は、米国の物流システムメーカーAlert Innovation社(マサチューセッツ州)と戦略的パートナーシップ契約を締結したとこのほど発表した。Alert社が開発したピッキングシステム「ALPHABOT」の日本独占販売権を取得した。

 Alert社は2016年設立のスタートアップ企業。独自開発した「ALPHABOT」は、保管棚の内部を走行したり、昇降したりするロボット「BOT」が棚から商品コンテナをピックアップし、そのまま保管棚の外にあるピッキングステーションまで搬送するシステム。ステーションに常駐するスタッフが「BOT」に搭載されたコンテナから商品をピッキングすると、再び保管棚へ走行し、コンテナを棚に格納する。

 小口注文に対応できるため、幅広い種類の商品を高密度で大量に保管できるほか、商品の受注から決済、配送まで全てを請け負うフルフィルメント業務の効率化に貢献する。

 Alert社は「ALPHABOT」を活用して食品スーパー向けの仕組みも構築している。
 これは来店者が店内で買い物をしている間に、オンラインショッピングを通じて注文した商品を「ALPHABOT」が自動で品揃えするもので、客は退店時に商品を受け取ることができる。リアル店舗とネット販売を融合させた新しい取り組みとして注目を集める。米国スーパーマーケット大手のウォルマートと提携し、すでに2店舗で試運転を開始している。

 村田機械は「ALPHABOT」の技術移転を受け、日本国内の中規模以上の配送センターに、「ALPHABOT」をベースにした課題解決策を提案する。「フルフィルメントソリューションの開発スピードを短縮することができ、事業拡大の契機にしたい」としている。