中国の農業、乳業会社の株式を譲渡

 アサヒグループホールディングスは中国で農業、乳業事業を手掛ける子会社「山東朝日緑源農業高新技術有限公司」、「山東朝日緑源乳業有限公司」の株式を、中国の「新希望集団有限公司」傘下の「新希望乳業控股有限公司」に譲渡する。
 「山東朝日緑源農業高新技術有限公司」は山東省政府から農業分野での支援・協力の要請を受けたことをきっかけに、2006年5月に設立した。酪農と栽培を組み合わせた「循環型農業」を行い、生産から物流・販売まで一貫したフードシステムを構築することで、安全安心な野菜や原料乳等を中国の利用者に提供してきた。
 「山東朝日緑源乳業有限公司」は2008年3月に設立。同年9月から、自社製造の「唯品」牛乳の販売を開始した。朝日緑源牧場の原料乳だけを使用し、日本の牛乳製造の技術を導入したプレミアム牛乳は、上海、山東、北京などの都市部で高い支持を得ている。
 日本の農業界、乳業界から技術的支援を受けながら10年をかけて「循環型農業モデル」を実現し、目標だった中国での農業問題の解決と食生活の向上に一定の貢献を果たしたので、株式を譲渡する。

 「新希望乳業控股有限公司」は中国最大の農業・畜産企業グループ「新希望集団有限公司」傘下の大手乳業メーカー。株式譲渡後も「新希望乳業控股有限公司」が「朝日緑源」ブランドの牛乳や野菜を生産、販売する。アサヒグループは2年間商標の供与と技術支援を行う。今後は、政府の認可を経て、2017年2月頃までに経営の移管を完了する。