たこ焼きの生産能力を高める
DONG PHUONG COMPANY LIMITED（ベトナム）
ベトナム・ダナンの冷食メーカー、DONG PHUONG COMPANY LIMITED（ドンフン）は粉系商品のオーダーが特に旺盛。そこでライン増強を図り、需要拡大に対応する。たこ焼きやチヂミ等の製造工場の生産能力を高める。
クアン代表
本社敷地内（１万7000�屐砲侶廝気弔旅�場で、日本向けにたこ焼き、チヂミ、刺身、寿司ねた、天ぷら、魚製品、たこのボイル・素揚げ等を製造している。現在、計11社から冷食製造を受託し、月11本のコンテナを日本に輸出している。たこ焼きの売上げ比率が60〜70％を占める。
たこ焼きやチヂミ等を製造する第一工場の生産能力を高め、現状の日産５ｔから、来年までに日産10ｔ、さらに２年後には日産20ｔとする計画。既存ラインをガス式焼成から電気式焼成（ＩＨヒーター）の新ラインに順次切り替える。電気式だと停電が懸念されるが、ベトナム政府は工業団地に電力供給を優先するため、リスクは小さいという。
同社は2000年創業。クアン代表はDONG PHUONG社とオカフーズ（東京都、岡孝行社長）の合弁会社クアンヒューフーズの社長も兼任している。
第一工場に電気式の新ライン導入
たこ焼きのＸ線検査
QUANG（クアン）代表は「電気式の焼成ライン導入はベトナムの冷食工場で初めて」と語る。焼き型も改良し、たこ焼き等の商品レベルの向上につなげる。
ガス式を電気式に切り替えると工場内の室温が８〜10℃程度下がるため、ワーカーの定着率が高まる。従業員数は600〜700名。
同社の基本方針のひとつに「従業員を大切に、良い環境で末永く働いてもらいたい」とある。工場の改善は方針に沿うもの。工場近隣に託児所開設も予定している。昼食（無料）もおいしいとの評判。「おいしくないと退職の原因になる」（ベトナム駐在の日本人談）。
従業員を大切にする姿勢が日本の冷食メーカーから評価され、オーダーが増える好循環になっている。需要増に対応するため、６つ目の工場新設も準備している。新工場で粉系商品製造を行う計画。
ドンフンのスタッフ陣、右から３人目がＶＵ工場長
自社栽培野菜を冷凍食品の原料に
ドンフンは高原地帯コムトゥムに自社農場30ヘクタールを所有し、土壌改良と試験栽培を行っている。日本から種を取り寄せ、キャベツ、にんじん、かぼちゃ、なす等の栽培を予定。早ければ来年から自社栽培野菜を冷凍食品の原料として使用する。クアン代表は野菜工場にも関心が強い。「日本に出張時に野菜工場を見学した」という。
ドンフンはクアン代表の先代（漁師）が立ち上げた小規模魚加工場が前身。社名は姉の名前が由来。約20年前にダナン郊外の工業団地に進出、たこ焼き製造を2004年から開始した。2012年にオカフーズと合弁で魚加工工場のクアンヒューフーズを近隣に立ち上げた。
たこ焼きライン
フリーズ直後のたこ焼き
準備中の新ライン