ハラールビジネスに新規参入企業が続々
冷凍加工の和食やケーキ、惣菜などを提案
ハラール認証の加工食品や冷凍食品、調味料などを集めたハラール産業展「Ｈａｌｆｅｓｔ Ｔｏｋｙｏ2018」（ハルフェスト東京）が東京流通センターで11月27〜29日開催された。
国内外の食品メーカーや食品卸に加え、ハラールビジネスへの新規参入組が出展した。ムスリム旅行者の訪日需要を見込む飲食店やホテルの関係者、日本製ハラール食品の輸入が目的の海外バイヤーらにＰＲした。
キュアテックスのマレー料理
和紙繊維メーカーの�螢�ュアテックス（東京都世田谷区）はチキンカレーやビーフルンダン、チキンサテーなど本場マレー料理を展示した。マレーシアの５つ星ホテルと業務提携し、ホテルで調理したハラール食品や様々なソースを輸入して自社のセントラルキチンで業務用に冷凍加工している。セントラルキッチンは熊本県上天草市内に開設しハラール認証を取得した。今年４月から本格販売を始めたばかりだが、すでにホテルやレストランとの取引実績を積み上げている。
展示ブースでは牛肉や車えび、かんぱちなど熊本県産の食材を使った冷凍の和食キットも展示した。金沢の老舗料亭の総料理長が監修した本格和食。食材は個包装しており、様々な組み合わせで松花堂弁当やコース料理として提供できる。担当者は「これほど本格的なハラール和食はほかにない」と胸を張る。シンガポールへの輸出も始まっており、「意外なところではたこステーキの評判が良かった。たこ300匹分が売れた」（担当者）という。アイテム数はまだ20〜30品にとどまるが、今後広げていきたいとしている。
ハラール認証の冷凍ケーキが百貨店に採用
リムコトレーディングの冷凍スイーツ
リムコトレーディング��（沖縄県那覇市）はハラール認証の冷凍ケーキを展示した。高知県馬路村産のゆず皮を使ったチーズタルトやマスカルポーネ（クリームチーズ）のロールケーキ、ベイクドチーズは国内大手百貨店のハラルフードセレクションに採用されている。同社によれば脂肪分47％の純生クリームはこれまで冷凍が難しかったが、「抗酸化特殊技術」を使った冷凍機で可能になるという。冷凍後は一般的な業務用冷凍庫の温度帯（−20℃）で鮮度保持できる。ロールケーキは解凍後もふわふわの食感が楽しめる。
同社はこの特殊冷凍機を使って、これまで冷凍が不可能とされてきた食材の発掘や高鮮度な冷凍食品の供給を目的に冷凍流通ビジネスを一昨年立ち上げた。熊谷敏彦社長は「冷凍食品の輸出に関心がある中小企業とネットワークをつくり、沖縄のハブ機能を活用して海外輸出を図る。まずはハラール食品から手がけたい」と意気込む。
介護食事業者も新規参入
会場ではこのほか、高齢者施設向けに給食事業を手がけるグローバルキッチン��（東京都港区）が、さばの味噌煮や鶏のから揚げ、チキンとトマトの大豆煮などの冷凍惣菜をＰＲした。自社のメニュー開発のノウハウを活かし昨年新規参入した。ハラール認証を取得した委託工場で製造している。
エスビー食品は今年４月に発売した業務用のハラール認証の小袋ねりわさび、11月下旬に発売したばかりのコショー、七味、国産山椒を展示した。ハラール認証ではないが、業務用「18種類の野菜カレー」は動物性原材料不使用をうたっており、ホテルや弁当店などからの受注が伸びているという。
エスビー食品は小袋わさびやカレーを展示