“今が設備投資のチャンス”、FOOMAの活用を
日本食品機械工業会 理事 櫻澤 誠氏
(FOOMA展示会実行委員会委員長)

 FOOMA JAPAN2014(国際食品工業展)の開催が目前に迫った。安全・安心はもちろん、少しでも精度・速度を高めようと、機械メーカーの思いが詰まっている。日本食品機械工業会の理事で、展示会実行委員長を務める櫻澤誠冨士製作所社長に、開催の意気込みを聞いた。

          櫻澤展示会実行委員長

 ――初の実行委員長。
 櫻澤 展示会の実行委員として7年ほど前から携わっており、昨年初めて副委員長を務めさせていただきました。今年はこれまでとは考え方も別です。より気を引き締めています。しかし、実務的には委員会のメンバーはもちろん、事務局もしっかり準備を進めていますので、私が特別に心配することはありません。あとは会期中に事故がないよう祈るばかりです。

 ――出展申し込みも早々に受付終了となった。
 櫻澤 それだけ食品産業に携わる人たちがFOOMAの開催に期待を寄せているということでしょう。情報収集や技術交流の場として長年役立てられていると自負しています。来場者はもちろん、出展社にも“参加して良かった”と思ってもらえるような展示会にしたいですね。一方、スペースの都合上、出展申し込みの希望に添えなかった方たちもいます。陳謝するとともに、これは中長期的に考えていかなければならない問題だと主催者側は捉えています。

 ――産業競争力強化法が施行してまもない。
 櫻澤 今が設備投資をするチャンスです。この法律の施行により、設備投資への環境が整備されつつあり、食品業界に携わる方たちには、最新の機械や設備、情報が揃ったFOOMAを最大限に活用していただければと思います。出展者にもユーザーにもメリットがあるこの制度は、意外とまだ知られていませんので、私たち主催者も特別企画として、優遇税制の概要などを紹介するスペースを設けます。

 ――ロボット化が盛んだ。
 櫻澤 新規に出展するロボットの専業メーカーが増えています。そればかりでなく、既存の出展社の中でも、自社の食品機械にロボットシステムを組み込んで出品するケースが目立っています。従来は包装や搬送の分野でロボットが進出していましたが、それよりさらに上流の加工の分野にまで広がりつつあります。
 自動車産業にはロボット技術が活かされていましたが、食品産業にはまだまだ余地があるということ。ロボット専業メーカーの参入は既存の食品機械業界にとっても非常にありがたいことです。食品機械メーカーも技術の完成度を高めようと自己研鑚、切磋琢磨しなければなりません。競争によって成長していけます。
 これはユーザーにも還元できます。盛んなロボット化の提案は来場するユーザーの選択の幅が広がることになり、FOOMAの見所の1つと言ってもいいでしょう。先日ドイツで開催された食品製造・包装の国際展示会「インターパック」を視察しましたが、実はFOOMAほどロボットの出展は多くはありませんでした。新たなことに挑戦する――。このことは日本も決して負けてはいないのだと確信しました。

 ――開催が楽しみだ。最後に意気込みを。
 櫻澤 FOOMAが日本経済に活気を取り戻す一助となればと思っています。そのためにも出展社には日頃の成果をいかんなく発揮していただきたいですね。ユーザーの皆さんもその高度な技術に是非とも期待していただければと思います。