HACCPクラウドを400店舗導入へ

 イオンリテールはHACCP対応の食品衛生管理を一元化するため、IoTを活用したクラウドシステムを導入すると1日発表した。本州・四国の約400店舗に来年6月までに導入し、管理業務の標準化と省力化を進める。
 イオンはこれまでHACCP対応に欠かせない加熱調理温度の記録管理などに手書き帳票を使っており、記録管理に時間と労力が割かれていたという。
 そこで自動認識技術のトップメーカー、サトーとIoTを活用したクラウドシステムを構築した。インストア加工の加熱調理記録や従業員の体調管理記録のほか、冷蔵冷凍ケースの温度管理記録の各データをクラウド上にアップロードし、自動帳票化する。
 データ入力は、従業員の体温や加熱調理の中心温度にタブレット端末を使用するが、冷蔵冷凍ケースの温度管理は3月からIoTを使った自動記録で行う。1店舗あたり平均110台が対象になる。機器によってメーカーが異なるが、イオンは「各メーカーと連携することで、全て同じ画面できめ細やかな管理ができる」としている。各メーカーの温度管理システムを活用して、庫内の設定温度や温度実績などのデータを連携させることを想定している。また、将来的には体温や加熱温度もIoT化を進めるという。
 今回のシステムは「イオンスタイル仙台卸町」(宮城県仙台市)や「イオンスタイル水戸下市」(茨城県水戸市)、「イオンスタイル津南」(三重県津市)の3店にすでに導入している。従来の作業時間(人時)に比べて58%削減の導入効果が得られたという。
 イオンはシステムの拡張性を活かし、勤怠システムや製造実績記録などと今後連携することも視野に入れている。

        HACCPクラウドのシステム概要図