やまやコミュニケーションズ（福岡市）は辛子明太子の製造工程でＡＩをたらこの異物検査や品質判定に活用する。2021年に建設する新工場での完全自動化をめざし、試験運用を開始するとこのほど発表した。
日本ＩＢＭとシステム開発の�螢轡哀競燹米瓜圈砲箸龍ζ吋廛蹈献Д�ト。ディープラーニング（深層学習）技術を使った画像認識の実証実験はすでに行っており、判定精度は人手による作業と同等かそれ以上のレベルだという。
明太子の製造工程では、たらこの異物検査やグレード判定を行う必要があるが、スキルを持った人材確保が難しく、属人化しない対策が求められていた。
今回のプロジェクトでは水産物に付着した微小な生物や繊維物といった異物が適切に除去されているかどうかを検査する異物検査の工程と、分類基準に基づいたグレード判定の工程を対象にＡＩモデルを開発した。
最大のポイントは、グレード判定でベテランの作業員が無意識のうちに行っている複雑な判定基準を、モデルの学習と評価を繰り返しながら有形の基準として顕在化したこと。
それぞれの基準をＡＩモデルとして落とし込み、複数のＡＩモデルを組み合わせたところ、異物検査やグレード判定で人間が判断する精度と同等かそれ以上の精度を獲得した。
今回のＡＩモデルの開発に際しては、日本ＩＢＭが高速プロセッサーやＡＩ専用サーバー、ディープラーニング構築支援サービスを提供し、ＩＢＭ社のＡＩ開発プラットフォームを活用した。
やまやはプロジェクトの成果を踏まえ、ＡＩ実装の設計と構築をシグザムと開始している。今後は新工場にＡＩを本格導入し、異物検査とグレード判定の業務を、海外工場を含む複数工場から集約することで大幅な省人化とサプライチェーンの短縮をめざす。
これによって生産コストや工程リードタイムが大きく削減され、より新鮮で高品質な商品が提供できるとしている。