味の素の連結子会社であるタイ味の素社(タイ・バンコク、倉島薫社長)は、タイの風味調味料の需要増に対応するため、8億タイ・バーツ(約24億円)を投じて、風味調味料「Ros Dee®」(「ロッディー」)の生産能力を増強する。
ノンケー工場(サラブリ県)の建屋を増築し、生産設備を増設する。包装工程を自動化し、生産効率の向上を図ることにより「Ros Dee®」の生産能力を約40%増強する。異物混入防止やトレーサビリティ強化の設備を充実し、品質管理を徹底する。
タイ味の素ノンケー工場
「Ros Dee®」は、1979年に発売した風味調味料で、現在4品種を販売している。畜肉の風味を料理に付与する汎用調味料として炒め物やスープなどに使用されている。積極的なマーケティング活動と家庭料理の幅広いメニューへの用途訴求に加え、外食市場の開拓により、販売量は2011年度以降、年平均5%以上伸長し、タイ国内でトップシェアを維持している。
タイの風味調味料市場は、中間所得層の拡大を背景に、家庭で使用頻度が増加したことにより世帯当たりの使用量が増えた。加えて屋台を中心とした外食市場でも使用機会が拡大したことにより、過去5年間で約1.3倍の約7万トンの規模に拡大した。今後も一層の市場拡大が見込まれる。
タイの「Ros Dee®」、インドネシアの「Masako®」(「マサコ」)、ベトナムの「Aji−ngon®」(「アジゴン」)等は、日本の「ほんだし®」に相当するもので、各国の各種家庭料理で手軽に使える調味料。
味の素グループは「タイのコンシューマーフーズ事業では、2020年度に2012年度比で2倍の売上げと飛躍的な成長をめざしている。
今後もよりおいしく、高品質な製品の提供を通じて、現地の豊かな食生活に貢献することで、海外食品事業のさらなる成長をめざしたい」としている。