ＡＩ技術で食品スーパーの空調制御
「ガリレイエアテックシステム」本格展開へ
フクシマガリレイからは福島豪専務（右端）が表彰式に
臨んだ、中央は牧原秀樹経済産業副大臣
（一財）省エネルギーセンターは今年度の省エネ大賞表彰式を東京ビッグサイトで１月29日開催した。食品産業関連ではフクシマガリレイとトライアルカンパニーのほか、ニチワ電機とトリドールホールディングス、中部電力が省エネ事例部門の経済産業大臣賞をそれぞれ共同で受賞した。フクシマガリレイは昨年の同センター会長賞に続く２年連続受賞。
フクシマガリレイと全国にスーパー約250店舗を展開するトライアルカンパニーは、店内環境の快適化と省エネを同時に実現する自動制御システム「ガリレイエアテックシステム」を開発した。ＡＩ技術とＰＭＶ（快適性評価指標）を活用した空調制御などで、ショーケースの前に立っても寒くない店内環境づくりと、広さ2000�屬療絞泙能祥茲茲�20％超の省電力を実現したことが高く評価された。
ＡＩで最適解を解析、省エネ制御
エアコンやデシカント（除湿）、冷凍機、ショーケース、換気扇など店内設備の運転データを吸い上げてＡＩがＰＭＶにもとづいた最適解を予測する。フクシマガリレイのＥＭＳ（エネルギーマネジメントシステム）「エフズアイ」が最適解を取得し、各機器に制御指令を出す。
ＰＭＶは温湿度や室内の輻射温度、気流、人間の活動量と着衣量などの指標のことで、これをＡＩで解析して空調を制御することで快適な環境と省エネを実現できる。
ショーケースの結露や天井のカビ、空調機の汚れを抑える効果があるほか、空調設定はオールシーズン自動で行うため、省人化や清掃費用の削減にもつながる。担当者によれば「投資回収は３〜５年以内で可能」という。
現在はトライアルカンパニーのスーパー２店舗に導入しているが、成果を実証できたことで横展開を本格始動する。千葉の幕張メッセで２月12〜14日開催される「スーパーマーケット・トレードショー」にも出品する。
東京ビッグサイトで開催された環境エネルギー展「ＥＮＥＸ」に「ガリレイエアテックシス
テム」のデモ機を出品し、ショーケース前の温湿度の違いを示した
温湿度の違いを示したデモ画面、システム導入店は温湿度を効率よくコントロールして、ショ
ーケースの前に立っても寒くない環境をつくっていた