電子計測器・食品検査機メーカー大手のアンリツ(神奈川県厚木市、濱田宏一社長)は「JAPAN PACK」で新製品の重量選別機「KWA7000シリーズ」を発表した。最高選別能力は1分間あたり1000個と超高速を実現した。世界最高レベルの性能を持つフラグシップ機として日本、欧米、中国、インドなどにグローバルに展開していく。
グローバル大手の菓子メーカーなどは700個/分以上の高速包装機を採用しており、後工程の重量選別機もそのスピードに追従することが求められているという。
この高度な要求に応えるため、今回の新製品では「フォースバランス」と呼ぶ高精度の計量秤の新型を搭載したほか、秤信号のデジタル化、高剛性のセンターバランスレイアウトを採用した。
新型フォースバランス秤の選別精度は±0.006gと競合他社を圧倒する。秤信号のデジタル化では振動制御の高度化を実現した。重量選別機は高速化するほど、コンベアの振動が計量精度に与える影響も大きくなる。そのため、振動の影響を制御(除去)する技術が不可欠という。そこで、制御のデジタル化によって各秤量コンベアの個別の振動特性に合わせた緻密な制御を可能にした。
新製品の重量選別機「KWA7000シリーズ」、今月2日発売した
振動に強いフレーム構造とセンターバランスレイアウトも大きな特長。重量選別機は周囲の機械の振動だけでなく、機械自身のコンベア振動などからも影響を受ける。そこでフレームの剛性を従来機より大きく高め、さらに秤を独立した台座に設置することで物理的に振動源から切り離した構造にした。これによって振動の影響を最小化し、秤の性能を最大限に引き出す。
これら最新技術を盛り込むことで、従来は対応が難しかった個包装の菓子類(1.2〜660g)などの超高速計量を可能にした。NG品を排除する選別部には高速エアージェット選別部を標準搭載した。1,000個/分でも正確な選別を実現するという。
同社は「50年以上にわたる当社のダイナミック計量技術の集大成」と胸を張る。