フィンランドに農作物の生産・販売会社を設立
富士通と富士通九州システムズ（FJQS）は農業ICTシステムを導入した植物工場を活用して、農作物の生産・販売を行う新会社「Fujitsu Greenhouse Technology Finland Oy」（FGTF）をフィンランドに設立し、11月17日事業を開始した。Robbe's Little Garden（Robbe's、フィンランド・リンドコスキ、Robert JordasCEO）との合弁。株主構成は富士通 86.4％、FJQS 11.6％、Robbe's 2.0 ％。
LED、多段式栽培棚を使って栽培している葉物野菜
新会社（フィンランド・リンドコスキ、吉岡真二代表）は敷地面積約1300�屬烹驚淵罐縫奪箸婆�3400�屬虜惑殘明僂鮖�つ。富士通の食・農業分野向けクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai」（Akisai）や、LEDを使った完全人工光、多段式栽培棚、フルオートメーションなど最新技術を導入した植物工場を活用し、2017年度上期から本格生産を開始する。
富士通とFJQS、Robbe'sは、FGTFの事業を通じ、冬季に日照時間が少なく厳しい気候のフィンランドで、ベビーリーフやリーフレタスなど葉物野菜を中心に農作物の通年安定生産・供給を実現する。この事業で得られたノウハウ、クラウドサービス、生産設備をパッケージ化し、EU圏内でのビジネス展開をめざす。
北欧で野菜の安定供給を
新鮮な農作物を消費者に供給するには、消費地に近い場所で生産する必要があるが、北欧地域では、冬季の日照時間が短く日差しも弱いため、その期間は農作物の生産が難しい。
フィンランドでは、北欧特有の気候の影響を受けずに農作物の生産が可能な植物工場事業の支援に力を入れているが、自国の需要を満たす生産量には届いておらず、一部輸入に頼っている。特に葉物野菜は主に欧州南部で生産したものを北欧地域に輸送しているため、収穫から消費者に届くまで時間を要し、鮮度の低下が課題となっている。
フィンランドで農作物を１年通して安定生産・供給するため、富士通とFJQSは、植物工場による農作物の生産・販売を行う新会社をRobbe'sと共同で事業展開する。
この事業は事業主体の３社に加え、フィンランド大使館商務部のコーディネイトにより実現した。