岡山県に新工場、西日本初の製造物流拠点

 モンテールは岡山県総社市に工場を新設、8月31日から稼働を始めた。西日本初の製造物流拠点で、シュークリームやエクレア、どら焼きを生産する。生産能力は日産10万個。初年度の生産額は36億円を見込んでいるが、将来的には100億円以上を生産できる体制を整えている。

総社工場の外観

 総社工場はつくば工場(茨城県坂東市)、美濃加茂工場(岐阜県美濃加茂市)に次ぐ3カ所目の拠点。近畿や中四国、九州のスーパー、コンビニ向けに洋菓子を製造する。
 西日本初の製造物流拠点の本格稼働を機に、より新鮮で安全な生産体制を強化、再構築するとともに増産体制を整備する。さらなる販路拡大とブランド認知の向上を図る。

 新工場には同社独自のシステムを随所に施している。
 洋菓子の主な原材料である牛乳や卵の生産地に近い地産地消型の工場で、岡山県を中心に中国地方の生乳と卵を使用。工場内にミルクプラントを設置して自社で低温殺菌牛乳を製造する。商品は当日受注、当日生産、当日出荷のジャストインタイムシステムで製造する。
 立ち上げは5本の製造ラインでスタートするが、工場内には今後の増産に向けて余地を残している。

高い衛生意識、既存2工場のノウハウ活かす

製造ラインモニターカメラ

 安全面では、HACCPに基づいた品質・衛生管理を徹底。クリーンルーム、Hepaフィルターなど、安全性の高い設備を導入し、製品中に含まれる一般生菌数の自主基準を300個/g以下に設定した。AIB監査で高評価を受けているつくば工場と美濃加茂工場のノウハウを活かし、新工場でもAIB監査を実施する。
 また、より高度な衛生管理を実践するためインターロック機構を採用。各階には生産管理事務所を設置した。
 フードディフェンス強化のため製造ラインにもモニターカメラを設置。生産性の高い製造ラインを1階に配置することで、原材料や製品の動線を短縮化し、より働きやすい環境を整えた。
 このほか、自家製カスタード用銅釜や自動殺菌装置、生乳やグラニュー糖など原料の自動搬送システム、井水浄化設備を導入。燃料にはLNG(液化天然ガス)を使用する。
 社員食堂の天井には光幕(ひかりまく)を導入し、自然光を利用して省エネに配慮。西側と北側全面を窓ガラスとして解放感とリラックス感のある空間にした。

社員食堂

社員食堂の天井の光幕、自然光を利用して省エネに配慮した

西日本限定の商品も

 原材料産地と消費地の両方に近い西日本エリアの製造拠点であり、地理的利便性を活かして近畿や中四国、九州エリアへ十分な供給力を持った。9月には清水白桃、10月にはニューピオーネを使った商品を西日本エリア限定で発売する。
 営業面では、大阪府に営業所を昨年開設した。新工場稼働に合わせて営業を1名増員し、強化を図る。2015年8月期は全社売上高290億円を目標に掲げている。

製造ラインに入る前に全員で実施する「まつげ眉毛を取る機械」
既存の2工場でも実施しており、成果を挙げている

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2014年9月3日号掲載