「2021モバックショウ」大阪で9日から
進化する技術を製パン・製菓業界に提案

 日本製パン製菓機械工業会(増田文治理事長=マスダックマシナリー社長)主催の「2021モバックショウ(国際製パン製菓関連産業展)」がインテックス大阪で9〜12日開催される。隔年開催で27回目。「進化する技術で! 『美味しさ』の実現」をテーマに167社(1066小間)が出展する。

 新型コロナの影響で前回(2019年)に比べ約7割の規模に縮小したが、新規出展社が14社に上るなど出展意欲の高い企業がそろった。増田理事長は「従来以上に充実した内容になる」と意気込みを示す。

 出品製品の内訳は製パン・製菓機械が47%、次いで原材料・副資材が14%、食品加工機械と食品包装機械で12%、その他が約27%。原材料の搬送から加工、包装、出荷に至るまで省人化や自動化を支援するほか、洗浄性を高めるなどした機器・システムが一堂に集まる。

           前回(2019年)のモバックショウの模様

バラエティ豊かな新製品が集結

 モバックショウに向けて新製品、新技術を開発する企業は多く、今回もバラエティに富んだ製品が出品される。

 製品取出しを自動化したうえで焼成能力をアップした「ワッフル焼成機」(北村製作所)、惣菜パンにケチャップなどをジグザグにトッピングする「線描きトッピング装置」(光陽機械製作所)、焼成時間を最大半分に短縮し、人時生産性に大きく貢献する「バウムクーヘンオーブン フレイヤ―」(不二商会)、真空を利用して粉体を短時間で冷却する業界初の「真空粉粒体急速冷却装置」(ソディック)などが披露される。

 原材料・副資材では伊藤忠食糧が独自開発した「加工タピオカ澱粉」と「冷水可溶澱粉」のほか、希少な小麦粉のハルユタカを100%使用した「石臼全粒粉はるゆたか」(江別製粉)、コメ由来たんぱく素材「こめたん−焙煎」(グリコ栄養食品)、冷凍生地のガス保持力を高めて窯伸びを促すグルテン素材の「グルネット」(三菱商事ライフサイエンス)などがそろった。

ウィズコロナ時代の経営戦略を講演

 会期中はユーザー参加型の多彩なイベント・セミナーを行う。パン職人が技術を競う世界大会「クープ・デュ・モンド」(仏)の国内最終選考会や、菓子研究団体・大阪二六会の協力による和菓子実技講習会を開催する。

 著名人や専門家らによるトークセミナーも実施する。初日には青木松風庵の青木啓一会長と上野忠の上野晃富史社長が「ウィズコロナ時代の菓子店経営」をテーマに意見を交わすほか、乃が美の阪上雄司代表が「ウィズコロナ時代のパン店経営」をテーマに講演する。

 今回のモバックショウは事前登録制とし、大阪府の「コロナ追跡システム」を使うなどコロナ対策を徹底する。展示ブースではデモンストレーションや試食提供を行うことは可能としたが、マスクやフェイスシールド、手袋の着用とソーシャルディスタンスの確保のほか、食器は使い捨てを使用し、ふた付きゴミ箱を設置するよう求める。こうした対策を着実に実行して、来場や出展社、関係者らの健康と安全を守る。