羽田クロノゲート竣工、国際クール宅急便始動

 ヤマトホールディングスは日本最大級の総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」を9月20日竣工した。10月上旬から稼働を始める。これを機に、生鮮品をアジア向けに翌日配送する「国際クール宅急便」をスタートさせる。

羽田クロノゲートの外観

 羽田クロノゲートは国内最大級の物流施設で、陸海空の要所が近隣にある利便性の高い立地にある。最新鋭の設備機器を導入し、徹底的な自動化を図る。「止めない物流」をスローガンに24時間稼働と発着同時仕分けを実現する。
 24時間稼働により、保税をはじめ、マージ、機器修理、メンテナンス、アッセンブル、オンデマンドプリントなどの付加価値機能を24時間施設内で稼働させる。リードタイムの短縮はもちろん、送り手は在庫や出荷場所を選ぶことなくローコストでネットワークを利用できる。
 陸海空マルチ輸送については、羽田空港に近接し、近くにJR貨物コンテナのターミナルや東京港・横浜港があり、高速道路のアクセスも良い位置に立地。あらゆる輸送手段が効率的に活用できる。
 発着同時スピード仕分けについては、従来の宅急便翌日届の場合、集荷した荷物を夕方までプールしておき、夜間に一斉に発送作業をする。発送・到着作業を24時間、同時に仕分けできるマテハン機器を装備することにより、受け手のニーズに合わせたジャストインタイムの輸配送を実現する。

 ヤマトグループは「バリュー・ネットワーキング」構想の下、今後は、全国、アジアに張り巡らせたネットワークを生かしながら、羽田クロノゲートを中心に、厚木ゲートウェイ(2013年8月稼働)、関西、中部のゲートウェイ、沖縄国際物流ハブ(2012年11月利用開始)を有機的に結びつけることで、物流を「バリューを生み出す手段」に進化させ、業種・事業規模を問わない「物流の改革」を実現する。

 生鮮品をアジア向けに翌日配送する「国際クール宅急便」も物流の改革の1つ。日本全国の生産地と香港を直結。「圧倒的なリードタイム短縮と万全の保冷技術で、第一次産業のアジアへの販路拡大によるアベノミクスの農業再生プランを支援する」(同社)という。
 今月中に香港向けをスタートさせ、香港以外のアジア宅急便展開地域を順次拡大する。

低温に管理された荷捌きスペース。物流量の増加を見越して、2エリア設けた