無線で温度を自動測定・集約、業務改善

 アイリスオーヤマ(仙台市、大山晃弘社長)は、独自の無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」の機能を応用し、冷凍庫・冷蔵ケースの温度を自動で測定し、集約する「HACCP対応冷ケース温度測定サービス」を12月から開始した。

 店舗や工場などに設置した冷凍庫・冷蔵ケースの温度測定データを自動で測定し、集約する。「LiCONEX」は、同社が照明制御事業に本格参入した2017年に発表した独自の通信プロトコルによる無線制御システムで、設備に関わる工事を簡略化でき、各設備の稼働状況の見える化や制御ができる。

 HACCP基準による衛生管理は、食品の食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を除去、低減するために重要な工程の管理と、製品の安全性の確保のための基準。食品製造業や食品販売業、飲食店など、全ての食品等事業者は、この基準に則った衛生管理計画の作成・実行や確認などが求められる。18年の改正食品衛生法により、来年6月に完全義務化される。

専用センサー(電池タイプ)、温度測定範囲
は-30℃〜30℃

専用センサー(電源供給タイプ)、マグネット
による取付けが可能

業務負担を軽減、パソコン上に情報保管

 今回のサービスでは、HACCP基準による衛生管理に必要な情報の収集に関わる目視測定作業と記録用紙への集約作業に必要な1日約130分の業務負担を軽減でき、人件費は月約6万5000円削減できるため、人材を単純作業から本質的な業務に配置転換できる。約2年間の保管が義務付けられる記録書も電子データとしてパソコン上に蓄積、保管でき、検索も容易、という。