味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社の大手食品メーカー5社は物流子会社などの物流機能を統合再編し、2019年4月に全国規模の物流会社を発足する。新会社は味の素物流を存続会社とし、社名を「F−LINE(株)」に変更する。
ドライバーや物流センターなどの資産共有、共同配送による積載効率の向上、中長距離幹線輸送の再構築、物流システムの標準化などに取り組み、持続可能な食品物流体制の強化をめざす。
新会社は東京都中央区に本社を置く予定、従業員数は2500人を超える規模になる。各社の出資比率は味の素が45%、カゴメが22%、日清オイリオグループが3%、日清フーズが4%、ハウス食品グループ本社が26%。事業統合するのはカゴメ物流サービス、現F−LINE(株)(北海道北広島市)、九州F−LINE(株)(福岡県粕屋町)の全事業とハウス物流サービスの一部を除く事業。
元々前述の食品メーカー5社とMizkanは食品物流の様々な課題に対して協働で戦略を立案する目的で、食品企業物流プラットフォーム「F−LINE」を2015年に設立した。6社で協議を重ねながら北海道エリアで共同配送を開始したり、味の素とMizkanが共同で関東・関西間の鉄道往復輸送を進めたりしてきた。昨年には味の素、カゴメ、日清フーズ、ハウス食品グループ本社が合弁で現F−LINEと同社100%子会社の九州F−LINEを発足した。
全国展開に向けた今回の統合再編は北海道、九州での共同物流体制が順調に進んでいることを示しており、全国規模での生産性向上に弾みをつけたと言える。食品メーカー5社はMizkanとも引き続きF−LINEプロジェクトで連携し、既存の枠組みを超えた協働体制を確立するとしている。
物流会社の事業統合・再編の流れ