日本冷凍食品検査協会
現場でつくりこむ「食の安全・安心」 実践のポイント −27−
第５章 クレーム削減のための異物対策
３ ソフトを重視した毛髪混入防止対策
(２) 対策１〜毛髪を衣服等から取り除く〜��
髪の毛は毎日約55本抜けるといわれていますが、抜けた毛がすぐに落下するわけではありません。髪の毛にはキューティクルがあるため、抜けてしまった髪の毛は他の毛に引っかかり、頭の中に留まります。これらの抜けた髪の毛が、何らかのきっかけで頭部から落下、作業着に付着し、製造ラインや食品中にそれが入り込んでしまうようなことが起きます。（図３参照）
頭の中に留まっている抜けた毛髪の除去と既に寿命が来て抜けかかっている毛髪をあらかじめ除去しておけば、現場の中で落ちることを最小限に抑えることができます。
これらの除去の仕方としては、シャンプーとブラッシングが最も有効です。（図４）
一方、更衣室は、私服より作業着に着替えたりする関係上、工場内で最も毛髪が落ちている場所ともいえます。そのため、更衣室で作業着に毛髪をつけないように取り組むことが重要となります。（図５参照）
私服は、家庭内での異物が付着しているケースも多いため、作業着に異物をつけないようにするためには、私服と作業着は分けて管理する必要があります。
作業着に着替える時、床面に作業着を置いている人が見られますが、床面は落下した毛髪やほこりで汚れています。そのため、作業着に着替えるときには、床面におかないようにする必要があります。
工場によっては、休憩室が畳敷きになっていて、作業着のまま寝転がって休憩をする光景もみられますが、このとき作業着に毛髪だけでなく畳のくずなどが付着してしまいます。そのため、休憩するときには作業着を脱ぐことが基本となりますが、作業着を着替えることが困難な場合には、工場内に入る際に必ずローラーがけを行い、毛髪などの異物を除去する対策を講じる必要があります。
出来る限り作業着に毛髪をつけないようにするためには、やはり更衣室のこまめな清掃が必要となります。
清掃するタイミングとしては、従業員がいないときを見はからって清掃をします。これは、従業員がいるときに清掃をしてしまうと、床に落ちている毛髪やほこりが舞い上がってしまい作業着に付着するおそれがあるからです。
また、清掃する際にもできるだけ毛髪などを舞い上げないようにするために、粘着ローラーや濡れモップのようなもので吸着して取り除くようにします。
粘着ローラーの管理については次号で説明します。
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（財）日本冷凍食品検査協会 企画開発事業部 担当：菊井、井上、山口、高橋
TEL：03-3438-1895 FAX：03-3438-2747 URL：http://www.jffic.or.jp