北海道の食肉料理人集団ＥＬＥＺＯ、アルカンと提携
エゾジカのもも肉のうち、「心玉」と呼ぶ部位を
ローストした
北海道の食肉料理人集団、�蝪釘味釘擅蓮淵┘譽勝�は、食肉の原料生産から販売までを自社で一貫して手掛ける珍しい企業で、佐々木章太社長を含む従業員の８割がフレンチシェフ。１つの食材から需要の高い部分のみが使われ、需要の低い部分は生産者にしわ寄せが行く現状を目の当たりにし、2005年、24歳の若さで同社を設立した。
需要が低い部位は加工部門（シャルキュトリ製造部門）でブロックやミンチなどに形を変え、塩漬け、マリネ、煮込み、乾燥熟成など様々な技法を駆使して食肉加工品に仕立てている。
今年４月、高級食材の輸入商社、�螢▲襯�ン（東京）と業務提携し、販路の拡大や共同の商品開発などに弾みがつく。
５月29日、アルカンの本社でＥＬＥＺＯの佐々木社長は雌の３歳のエゾジカのもも肉を報道関係者の前でさばいて見せた。外もも、内もも、心玉と呼ぶ部位を「部位ごとに膜に覆われているので、切り取るというよりははがすような感じ」（佐々木社長）と解説しながら手際よく切り分けた。３歳で一度出産を経験している鹿肉が最も赤身が強いという。同社の生産狩猟部門では野生のエゾジカやヒグマ、蝦夷雪うさぎ、蝦夷雷鳥、きじ、真鴨などをハンターが捕獲している。
枝肉熟成流通部門では最良の肉原料を全国のフレンチ・イタリアンを中心に約300店に供給している。赤身肉の調理は難易度が高いため、食材を見極められ、大切に扱う顧客に限定している。顧客にフレンチ、イタリアンが多いのは、同社の従業員がフレンチシェフであり、肉の扱い方や調理法をアドバイスしやすいためだという。
自社の肉を自らの手で表現するために設けた紹介制レストラン「ＥＬＥＺＯ ＨＯＵＳＥ」を東京都渋谷区松濤に2016年７月に開業した。要望が多いため、２〜３号店の出店も計画している。佐々木社長は「将来的にはアカデミーを設立する構想もある」と語っている。
エゾジカのももをさばく佐々木社長