防災備蓄食セットを新発売
防災食の市場規模2016年は189億円

     永谷園の防災備蓄食セット

 東日本大震災から7年。永谷園はフリーズドライご飯など10種類を詰め合わせた「防災備蓄食セット」をこのほど通販限定で新発売した。フリーズドライご飯はご飯を炊いてから真空乾燥凍結したもので熱風乾燥に比べてダメージが少なく、復元性に優れている。そのため湯で3分、水で5分と短時間で食べることができる。保存期間は5年。この他、食物アレルギー配慮商品で3年保存可能なカレーやフリーズドライみそ汁をセットした。
 永谷園に限らず、大手食品メーカーが通常商品の保存期間を延ばすなど備蓄を想定した商品開発の例は少なくない。カゴメは野菜ジュースの定番「野菜一日これ一本」の保存期間をこれまでの3年から5.5年に伸ばした。腐食に強いポリエステルフィルムをコーティングした缶ふたを採用したことで実現した。
 ハウス食品は賞味期限5年6カ月のヒートレスカレーを5年前に発売し昨年はシチューを商品化した。温めなくてもおいしく食べられることを強調している。江崎グリコも3年保存可能な常備用カレーを発売し、大塚製薬は3年保存可能な「カロリーメイト ロングライフ」を企業、自治体向けに提案している。
 富士経済によれば、2016年の防災食品市場は前年比36.0%増の189億円。国や自治体、企業の備蓄計画拡大による需要増や、賞味期限切れによる買い替え需要が増加した影響だという。備蓄食は保存期間5年の商品が多い。そのため次の買い替え需要時期は2021年が見込まれる。富士経済は備蓄計画拡大による需要増なども重なって市場規模は195億円になると予測している。

          国内の防災食品市場(富士経済)