ペットボトルとキャップ完全に分離できる

 東京ビッグサイトで6月29日〜7月1日に開催されたDrink JAPANで三渓産業は ペットボトルとキャップを完全に分離する「e-cap」を出展した。
 今までのペットボトル飲料のキャップと違い、キャップを捨てるときに固定リングも一緒にはずせるので、簡単にペットボトルとキャップを完全分別できる。
 開栓してもキャップ部分が離れないので、キャップ紛失防止となり、車の運転中や乗車中、歩行中にも便利。キャップを落としがちな幼児や年配者にも使いやすい。
 既存のペットボトルを改良する必要はなく、そのまま使用できる。大きさなどを調整できるので、化粧品や歯磨き粉のキャップ、食品容器のフタなど、応用範囲は広い。
 完全分離できる機構で日本、韓国、中国、アメリカ、EU国際特許を取得しており、南米、アジア主要国へは特許出願中。

完全分離こそ真のエコ活動

 日本のペットボトルは年間約250 億本生産しており、エコ活動としてペットボトルとキャップの分別を行っている。
 ペットボトル(PET材)とキャップ(PE材)は材質が異なるので分離する必要がある。従来のペットボトルではキャップの固定リングが残り、これを取り除く手間と費用がかかる。そのため、せっかく分別しても多くのペットボトルが一般ゴミと一緒に処分され、再資源化率は37% と完全再資源化には程遠い状況だという。
 一般ゴミに混ざって焼却処分すると二酸化炭素の発生源となり、埋め立て処分すれば土壌汚染の原因となる。
 同社では「ペットボトルとキャップをしっかり分別すれば、資源としてリサイクルできるが、混ぜればゴミ。完全分離しないとせっかくのエコ活動も効果が上がらない。
 今回初めて展示会に出品した。飲料会社や食品会社に興味を持ってもらい、『こんな使い方できないか』という、共同開発などの提案ができればと思っている。
 海外から引き合いがあったが保留している。1社でも多くの顧客に使用してもらいたいと思っているが、最初に特許を取得した日本発で製品化したいと願っている。
 この機構のキャップを使ってもらうことが大事なので、少しづつ使用範囲を広げていきたい」と熱い思いを語っている。

ありそうでなかった、完全分離できるキャップ