ラブレ菌の消化液耐性で新局面

 カゴメ総合研究所は「ラブレ菌」が示す高い消化液耐性の研究を進めてきたが、この耐性に関わる可能性を持つ特徴的な遺伝子と菌体成分をこのほど発見した。麻布大学、東京大学、畜産草地研究所との共同研究。
 乳酸菌がその効果を発揮するためには生きて腸まで届くことが重要だが、ラブレ菌は人工消化液に対する耐性が高く、実際にヒトの腸内で生き抜くことが確認されている。
 今回の研究でラブレ菌に特徴的な9つのプラスミドのうち3つが、人工消化液耐性に強く関与する可能性が明らかになった。また、糖とたん白質を含むラブレ菌の持つ特徴的な菌体成分が、人工消化液耐性に関与する可能性も示した。
 
 ラブレ菌は学名「Lactobacillus brevis KB290」。京都の漬物「すぐき」からルイ・パストゥール医学研究センター(京都)が分離し、その整腸作用や免疫賦活作用を研究してきた。また、強く撹拌すると凝集することが知られている。
 今回の結果から、ラブレ菌は独特な仕組みの消化液耐性を持つプロバイオティクスであると考察している。