ヤマト、三洋電機、群馬県衛生環境研究所はドラフトレス空調システムに電解水技術を組み込んだ微生物制御空調技術を用いて、実空間での飛沫・エアロゾルの抑制効果を検証した。この微生物制御空調技術が空間の浮遊微生物抑制に高い効果を持つことを確認した。
ヤマトのドラフトレス空調システムに三洋電機の電解水技術(除菌エレメント方式)を組み込んだ微生物制御空調技術によって、実空間(体積56㎥:幅4.1m×奥行き5.1m×高さ2.7m)に噴霧された試験菌が、約10分間で噴霧前の清浄状態に復元可能であることを実証した。
床面付近の空気を吸い込み、天井面から吹き出すことでダウンフロー気流を作り出すが、効率よく熱を対流させることで体に直接吹き当たるドラフトによる不快感を低減できる。また、壁下から空気を吸い込むと暖められた空気が引っ張られて空調エリアが広がるため、暖めムラ(冷房時には冷やしすぎ)を緩和できる
除菌エレメント方式は電解水を含ませたエレメントに室内空気を通し、強制循環させることで、通過する空気中のウイルス、微生物、臭気を制御・抑制する。この方式では、室内空気を1回通過させるだけで、ウイルスを99%抑制できるという。
咳やくしゃみによって放出される感染性の飛沫・エアロゾル粒子は重力や気流の影響を受けて広範囲に飛散する。ドラフトレス空調システムが形成するダウンフロー気流は、飛沫・エアロゾル粒子の落下を促進し、リターンエアーとして空間から迅速に排出することができる。これにより排出された飛沫・エアロゾル粒子は、電解水を含んだ除菌エレメントによって99%以上除菌され、清浄な空気(サプライエアー)として室内に供給する。その結果、迅速な除菌と快適性を両立させることが可能となった。