フリーザーは最先端機器を導入
マルハニチロ九州(下)

 マルハニチロ九州では入場時の手洗い、粘着ローラ掛け、エアーシャワーなどはもちろん、製品ラインで金属探知機、エックス線異物探知機などの検査機器も整備している。

    パスカルエアー第1号機が活躍する

 コンピュータ計量・充填機は缶詰ラインと冷凍めんの具材計量で各1台が活躍。フリーザーは空気冷媒によるパスカルエアー(マエカワ製)第1号機を5年前に導入した。業界最先端のフリーザーだが、導入以来1日も故障せずに稼働している。包装ラインでは製品を箱詰めするロボットも活躍するなど先端機器を設置している。

 同社の立地条件は申し分ない。阿蘇くまもと空港から車で10分、JR豊肥線光の森駅、そして九州自動車道熊本インターからも10分という恵まれた場所に位置する。
 熊本といえば九州の交通の要衝にあり、全国でも5本の指に入る農業県。しかも阿蘇の伏流水に恵まれ、水質の良さ、水量の豊富さはよく知られるところ。熊本市内の公共用水はすべて地下水で賄われている。同社の工業用水も敷地内の2本の井戸ですべて足りている。

 自動計量機で冷凍めん具材の適正充填を行う

 全従業員360人。2011年の大震災の折、被災した石巻工場から20人程移籍した。外国人も中国、ネパール、ベトナムなどから50名を受け入れているが、飽本裕二社長の直近の悩みの種は求人難。少子高齢化の波は地方で特に深刻。しかも周辺にはソニーの半導体工場、富士フィルムの工業用薄膜フィルム工場、サントリーの飲料工場など一流企業の工場が集結しており、同社は人手の獲得競争で苦戦を強いられている。
 加えて、マルハニチロは現在石巻工場の新設工事を進めており、来年には完成の予定。グループ内の各工場に石巻工場で働く社内募集をかけているところから、同社でも東北から移籍した従業員の一部が復帰を希望することが予想され、人手難に拍車がかかることが懸念されている。
 働きやすい職場づくりへと全力を傾けていく方針だ。(おわり)