「FOOMA JAPAN2021(国際食品工業展)」が愛知県常滑市の「Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)」で6月1日開幕した。緊急事態宣言が延長されたため、1日あたりの来場者数を上限5000人に抑える。初日は約4300人が来場した。4日まで。
今回のテーマは「発想力が食の未来を変えていく」。主催する日本食品機械工業会の海内栄一会長(花木工業社長)は開幕式で「食品の安全安心、消費者ニーズの多様化、自動化・省人化など時代の変化や要請に加え、国際性による高度な衛生性の要求にも的確に対応し、食の未来の道筋を切り開いていく」と力強く語った。
来賓挨拶では経済産業省中部経済産業局の畠山一成局長がビデオメッセージを寄せたほか、愛知県経済産業局の福田嘉和技監が大村秀章愛知県知事のメッセージを代読した。大村知事は2日に視察に訪れる予定。
テープカットをする左から宮島昭治実行委員長、海内会長、福田技監、常滑商工会議所の
牧野克則会頭
容器洗浄機メーカーのクレオは食品工場内で使用する内箱洗浄後の自動段積み装置を参考
出品している。最大の特長は多種類の内箱に1台で対応できること。段積み機構を改良し実
現した。ブースでは洗浄・すすぎ→脱水→内箱反転→投入→段積みまでの自動ラインを展示。
通常の内箱と取っ手付きのとろ箱を使って実演している
イシダは段ボールの製封函一体型オートケースパッカーを出品している。5月に発売開始
した新製品。製函機能と封函機能を上下段に分割して配置した。商品を箱詰めする機能を備
えており、省スペース化と箱詰め作業の自動化を実現した。ブースでは組み合わせ計量機→
シールチェッカー→金属検出機→X線検査装置→オートケースパッカーまでの自動ラインを
展示している
品川工業所は新製品の加熱撹はん機「あおり炒め機」を出品している。中華鍋(写真上)
と同じ構造の鍋を採用したほか、新たな撹はん方式でパラパラ感を実現した。独自形状の4
枚の撹はん羽(写真下)が食材をすくい上げたり、かき上げたりする。料理人が「あおる」
ようにして炒める動きを取り入れた。中華鍋は厚さ3mmと従来の半分にして、食材への伝
熱量を2倍に高めた
野菜洗浄機のトップメーカー、細田工業はカット野菜の本洗浄と脱水工程にロボットを組み
入れた自動化ラインを提案している。カット後の野菜が入った大型のカゴをロボットが4槽の
洗浄機に順番に投入するほか、洗浄後は脱水機に投入し、脱水後は取り出してコンベアに移載
する。「カゴの手持ち移動は作業負担が大きい。自動化で軽減を図る」(担当者)。
日本キャリア工業はプロセスセンターへの導入実績が多いロングセラー機のベンディング
スライサーを10年ぶりにモデルチェンジした。新製品の「AZ-342」(写真上)を初披露
している。駆動部をエアシリンダーからサーボモータに切り替え、デジタル制御することで
処理能力を最大20%向上させた。さらに、新機能の「重量ばらつき制御」によって肉の枚数
を自動調整しながら肉の重量をキープする。スライス後の手直し作業を省人化できる。写真
下の右側はスライス肉が10枚なのに対し、左側は11枚と枚数は異なるが、肉の重量やブロッ
ク幅は変わらない