ロボット技術に関心集まる

 今年のFOOMAは産業用ロボット専業メーカーが初出展するなど、数多くのロボットシステムが実演し、来場者の関心を集めている。

ストーブリの最新ロボ、高速搬送を実演している

 初出展のストーブリが提案している高速搬送向け4軸ロボット「TP80 fast Picker」は小型・軽量でありながら、従来の常識を覆す連続運転で200ピック/分を実現した。「産業用ロボットで培った技術力と信頼性で、食品機械のロボットによる自動化をサポートする」(同社)という。
 馬場鐵工所とデンソーウェーブは共同で最新のアームロボットを出展。過酷な環境でも使える耐悪環境タイプ(IP67)のデンソーウェーブ社最新アームロボ(VS−068)を装備したシステムで、食品工場のあらゆるシーンで活用できる事例を実演を交えて紹介している。
 ファクシムが出展しているパック製品自動箱詰めロボットシステム(FA1200K)は、自動カップシール機で充填シールされた食品を専用箱に自動箱詰めする。対応する食品はゼリー、プリン、水ようかん、もずくなど幅広い。

ファナックのブース

 ファナックのハンドリングロボットは高速性や連続稼働を実現する「デュアルドライブ・トルクタンデム」制御方式を採用。高速搬送を実現するほか、24時間の連続運転が可能となっている。IP67準拠による優れたサニタリー性も確保しており、本体の洗浄時に使用される温水や弱酸、アルカリ洗浄液に耐えうる素材を使用している。
 なんつねは省スペースで、処理量を向上させた高速定量スライサーにアームロボットを装備した新機種を披露している。

なんつねはアームロボットを装備したスライサー
の新システムを提案

 OMCは最新洗浄ロボットを装備したコンテナ計量システムを出展している。食品製造設備で大量に使われる容器やコンテナの洗浄から乾燥、冷却までを完全自動で行なう。洗浄システムには大型ロボットを採用。洗浄装置内はノズルなどの最小限装置にとどめ、駆動・稼働部を排除。内部汚れの付着を防ぎクリーンにした。
 食品工場では日常の安全体制や高度な衛生管理に加え、作業の効率化が求められている。正確で、迅速に作業をこなす産業用ロボットは食品製造現場に普及し始めている。