春夏新商品、キーワードは簡便性や話題性
「海苔のうつわ」（手前左）など春季新商品
ニコニコのり（大阪市）は市場トレンドに対応した４商品、「手巻酢付のり２切８枚」と「海苔のうつわ」、「海藻スナックのりわかめ」、「業務用手巻のり２切50枚」を３月１日発売する。キーワードは�ヾ癖慇�、�∀誕蠕�（生活者意識）、��食シーンの拡大、�ぜ�要喚起。春の新製品発表会を都内で１月28日開いた。
「手巻酢付のり２切８枚」（200円）は国産海苔だけを使った「手巻きやさんシリーズ」初の酢付けタイプで、酢飯を作る手間を省いた。海苔にあらかじめ酢と出汁を効かせているため、白飯と具材を用意するだけで手巻き寿司が楽しめる。内容量は２切８枚（板海苔４枚）と少なめだが、志（しい）智久商品開発課長は「冷蔵庫の余り物などを使えば手軽に手巻き寿司が食べられ、寿司需要が増える」と少量タイプのねらいを語る。
高級感や健康面を訴求、食べ方提案も
白羽社長
「海苔のうつわ」（300円）は焼き海苔をそのまま一口サイズのカップ状にしたユニークな商品。弁当のおかずを詰めて仕切りとして使えるようにした。原料には漁協が設定する基準のうち本等級より重い重等級の海苔を使用している。海洋プラごみの問題に着目し、プラ容器の代わりにすることで、家庭でも脱プラに貢献できることを訴求する。
「海藻スナックのりわかめ」（200円）は働く女性の７割が間食を毎日とりながらも、６割が罪悪感を抱いているというアンケート調査にもとづき、「健康的なスナック」として開発した。国産のバラ干し海苔とわかめを使い、一口サイズにまるめた。「食物繊維やカルシウム、葉酸を摂取することができる」（志課長）。
「業務用手巻のり２切50枚」（880円）は韓国産原料を使用し、日本国内で製造した。大容量を手頃な値段で提供することで海苔の需要喚起を図る。
白羽清正社長は会見で、国内海苔の昨年の生産枚数が約63億枚と46年ぶりの大凶作に落ち込み、仕入れ価格が高騰していることにふれ「昨年は家庭用品で値上げに踏み切ったが、これ以上の値上げは海苔離れが懸念されるため難しい」と語った。そのうえで「高級感やや健康面を訴求したり、海苔の新しい使い方を提案して食シーンを広げるなど付加価値を高めることが必要」と強調した。